オリックス【きょうは何の日】2012年 西、小久保引退試合でノーヒットノーラン!
「ソフトバンク0-3オリックス」(2012年10月8日、ヤフオクドーム)
オリックス・西勇輝投手が史上76人目(通算87度目)の無安打無得点試合を達成した。パ・リーグでは2000年の近鉄・エルビラ以来26人目で、オリックスでは1995年の佐藤義則以来となった。西は三重の公立校、菰野高から08年ドラフト3位でオリックス入りした。
真一文字に結んだ口元が緩み、駆け寄ったナインの手荒い祝福を全身で受け止めた。西がパ・リーグで今世紀初の無安打無得点試合を達成。ソフトバンク・小久保の引退試合と重なった快挙に「小久保さんの引退試合だったので、どう喜んでいいのか分からなかった」と戸惑いながらも声を上ずらせた。
出した走者は四球による1人だけだった。「きょうはどの球でもストライクを取れた」と振り返る制球力でコースを突いて内野ゴロが12個にものぼった。
現役としてレギュラーシーズン最終戦となった小久保にも「全部本気でいった」と真っ向勝負。最速145キロの直球と、外角へスライダーを集めて3打席連続で打ち取った。打たせて取る投球でわずか109球での“準完全試合”。小学校時代の2度、三重・菰野高時代の1度に続く、野球人生4度目の無安打無得点試合となった。
昨年は10勝を挙げてブレーク。4年目の今季は8勝3敗、防御率2・78だったが、実りの多い1年だった。7月には監督推薦で球宴に初出場。ベンチではロッテ・成瀬らに積極的に声をかけて「刺激しかなかった。最高の3試合だった」。
また、松山での2戦目の後には今季無安打無得点試合を達成した広島・前田健、巨人・坂本らと食事に出掛けた。2歳上の一流投手と一流打者から「勝てる投手はどうするべきか」を学んだ。
シーズン序盤はKO後に高代ヘッドコーチに怒鳴られて悔し涙を流した。8月には右肩痛で出場選手登録を抹消され、自問自答した日々もあった。すべての経験を糧に、プロ4年目の21歳が今季最終戦で球史に名を刻んだ。
この年は広島・前田健が4月6日のDeNA戦、巨人・杉内が5月30日の楽天戦で達成したのに続く3度目の快挙。年間3人が無安打無得点を達成したのは1995年以来17年ぶりだった。
当日のスタメンは次の通り。
(8)宮崎祐樹
(6)大引啓次
(3)T-岡田
(D)李大浩
(5)アーロム・バルディリス
(7)川端崇義
(9)深江真登
(2)伊藤 光
(4)安達了一
(P)西 勇輝