オリックス【きょうは何の日】1967年、阪急32年目の初優勝、西本監督夕闇に舞う

 「阪急8-11東映」(1967年10月1日、西京極球場)

 阪急はダブルヘッダーの第1試合に勝って優勝へのマジックを1とし、連勝はならなかったが、南海-西鉄が1勝1敗に終わったため、チーム結成32年目にして初優勝が決まった。

 夕闇が迫る西京極球場のスタンドに突然、歓声が沸き上がり、クラッカーがさく裂した。午後4時45分、阪急初優勝の瞬間である。目で試合を追い、携帯ラジオに耳を傾けていたファンが大阪球場の南海対西鉄第2試合で西鉄が敗れたのを知ったのだ。

 試合は七回阪急の攻撃。先頭の代打・高井に嵯峨が1球目を投げたとき。あまりのスタンドの騒々しさに試合は一時中断された。

 一塁コーチボックスの西本幸雄監督もすぐ感じ取ったようだが、七回の攻撃が終わり、引き揚げたときに青田コーチと軽く手を握り合っただけ、東映に大きくリードされているのが不満だったのだろう。

 日没コールドで負けが決まってもムードは大きく盛り上がっていた。真っ先に西本監督の背番号『50』が宙に舞う。内野の2基の照明灯に照らし出された指揮官は2度、3度と空に舞ううちに顔をゆがめた。

 1万8000人と超満員のファンがどっとグラウンドになだれ込み、胴上げの輪を大きく取り巻いた。青田コーチ、スペンサー、ウィンディと次々に胴上げされた。文字通りファンとともに喜びを分かち合った。

 西本監督は手記を寄せ「チームの統率を引き受けて5年、早くも優勝監督の幸運をつかんだ私は実に幸せ者だと思う。監督として2度目の優勝だが、しにせの阪急のしかも初優勝を実現させることができたのだからその感激は前回の大毎のときとは段違いです」と記した。

 当日のスタメンは次の通り。

(7)ウィンディ

(6)阪本敏三

(3)スペンサー

(9)長池徳二

(8)中田昌宏

(5)森本 潔

(4)山口富士雄

(2)根来広光

(1)梶本隆夫

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