明石商・中森 完投締め!9K最速150キロ “4度目の正直”有終の美

 「高校野球交流試合、明石商3-2桐生第一」(16日、甲子園球場)

 4度目となる聖地で3年間の集大成を見せた。今秋ドラフト候補で最速151キロの明石商・中森俊介投手(3年)が5安打2失点、9三振で完投。最速は自己最高に及ばなかったが、150キロをマークし、最後の夏を勝利で彩った。卒業後の進路は未定だが、NPBスカウト陣からの評価はトップクラスの逸材。プロか進学か、今後の動向に注目が集まる。

 この男には、やっぱり甲子園が似合う。明石商の絶対的エース・中森が2失点完投。昨夏の甲子園で投じた自己最速には及ばなかったものの、大台の150キロをマークし、勝利で有終の美を飾った。

 「3年間の集大成として、目標にしていた『最後は勝って終わる』ということができてよかった。やっぱり何回来てもいいところで投げやすかったです」

 “4度目の正直”だった。1年夏に挑んだ初めての甲子園は、初戦の八戸学院光星戦に3番手で登板。同点で迎えた延長十回に失策絡みで失点し、負け投手になった。昨春のセンバツでは準決勝・東邦戦に登板したが、七回に打ち崩され敗退。そして昨夏も準決勝で履正社に猛攻を浴びて敗れた。

 「これまで全て自分が投げて負けてきたので、最後は自分が投げて勝ちたいです」。タイブレークの末に敗れた今夏の兵庫代替大会後、そう静かに闘志を燃やしていた中森。与えられた聖地での1試合。何度も悔しさを味わったマウンドで、渾身(こんしん)の115球を投げ切った。

 コロナ禍により中止となった春のセンバツと夏の選手権。約2カ月間の休校でグランドを使っての全体練習もできなかったが、甲子園に立つ機会があると信じて自主練を続けてきた。その日々の努力があったからこそ、「自分の球を信じて投げていこうと思った」とこの日の自信につながった。

 一番近くで成長を見てきた狭間善徳監督(56)は「『完封できん男やなあ、お前は』と本人には言ったんやけど、体のバランスとかは修正が利くし意識も高い。これからが楽しみ」と辛口なコメントを交えつつ、今後も野球界を盛り上げていくであろうエースの背中を押した。

 進路については「まだ決めていない」としたが、「自分としてはもっと上のレベルでやりたい」と先を見据えた中森。この3年間、何度も聖地を沸かせてきた右腕から今後も目が離せない。

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