明徳義塾 馬淵監督「野球は分からない」「人生に生かしてほしい」
「高校野球交流試合、明徳義塾6-5鳥取城北」(10日、甲子園球場)
明徳義塾が真骨頂の粘りを発揮し、逆転サヨナラ勝ち。接戦の末、鳥取城北を破った。
八回無死までノーヒットに抑えられる苦しい展開に、馬淵史郎監督(64)は「なんか嫌な予感はしていた」と、いつもと違う空気を感じたという。八回にエース・新地が崩れ、4失点。逆転を許したが、1点を追う九回、四死球で2死一、二塁。4番・新沢が右越えにサヨナラ打を放った。
試合後、馬淵監督は「野球はヒットの打ち合いでも、速いボールの投げ合いでもない。いかに相手より点を取るか、ですから」と、選手たちの粘りをたたえた。特別な夏を終え「やっぱり、野球は最後の最後までわからない」と、しみじみと語った。独特な語り口で人気の指揮官は「今日の試合のように思い通りにならないことはあるが、あきらめずにやればこういうゲームもある。これを今後の人生にいかしてほしい」と、“馬淵節”で3年生を送り出した。
鳥取城北は先発の松村が6回を無安打、2失点の力投。1点を追う八回に打線が6安打を集中して5-2としたが、逃げ切れなかった。勝っても負けても3年生にとっては最後の「夏の甲子園」。全力を尽くした鳥取城北だったが、サヨナラ打を浴びた阪上は号泣した。