倉敷商・原田、父を超える!背中で引っ張る主将が春の聖地に旋風巻き起こす

 3月19日開幕、第92回選抜高校野球大会に出場する中四国勢から、注目選手を紹介。今回は倉敷商主将の原田将多内野手(2年)に焦点を当てる。

 忘れることのできない記憶だ。

 「自分が最後のバッターだったので」。昨夏の岡山県大会決勝・岡山学芸館戦、1点リードされて迎えた九回裏2死、原田は一打同点の場面で打席に立つも、空振り三振。先輩たちと甲子園で戦う夢は散り、その試合を最後に、05年からチームを率いた森光淳郎監督(49)が退任した。

 自分が打っていれば…。悔しさを抱えたまま新チームの主将に就任。その悔しさを晴らす機会はすぐ訪れた。秋の中国大会準決勝・広島新庄戦、勝てばセンバツ出場をほぼ手中に収められる。延長十一回2死満塁の大チャンスで打席へ。「野球の神様がもう1回チャンスをくれた」。全力で振り抜いた打球は左翼の頭を越え、走者一掃の決勝三塁打。「ドラマあるな、って思います」と、笑って振り返った。

 「背中で見せるキャプテン」を理想に、夏の甲子園優勝を目標に掲げるチームを引っ張る。夏の敗退が決まったその日に森光監督から「お前しかおらんだろう」と指名され、指揮を引き継いだ梶山和洋監督(32)も「僕もそう思っていた。甲子園でふわふわする選手を落ち着かせてくれると思う」と信頼を寄せる。

 超えるべき存在もすぐそばにいる。倉敷商OBの父・浩司さんは、88年夏の甲子園で初戦を突破。小学生では父が監督のチームでプレーし「最後は気持ちでなんとかせえ」と教えを受けた。センバツ決定後には「オレを超えろ」と、げきを飛ばされ「超えるしかない、超えるのは当たり前と思ってます」と、決意を込めて話した。

 勝つことの難しさを体感し、勝利への執念がいっそう強まった。「練習試合から勝ちにこだわってきた」。センバツの目標は「ベスト4」。一戦必勝、勝利に飢えた主将が聖地で輝きを放つ。

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