オリックス・Ｋ－鈴木投手（２５）が４日、都内の武蔵川部屋で自主トレを公開した。元横綱・武蔵丸の武蔵川光偉親方（４８）から直々に指導を受け、３年目の飛躍を目指す右腕は四股や力士流のスクワットで下半身強化、柔軟性アップに向けたトレーニングを学んだ。

　さっきまで力士たちが激しい朝稽古を行っていた土俵にＫ－鈴木が現れ、四股を踏んだ。見守る武蔵川親方から声が飛ぶ。

　「腰が引けてるよ！ほら、腹筋に力を入れて！」

　Ｋ－鈴木の顔が見る見る真っ赤になっていった。

　「これヤバイっす！めっちゃキツイ」

　プロ野球の投手が“シコふんじゃった”。別に遊んでいるわけではない。今オフ、股関節の硬さと腹筋の弱さを克服すべく取り組んできた。が、さらに有効な練習法はないかと考えた末に思いついたのが四股、股割りなどの力士の稽古だった。関係者を通じて申し込んだところ、場所前にもかかわらず快諾を得てこの日に至った。

　元横綱が付きっきりの指導。数種類のトレーニングはどれも未知のものばかり。

　「野球と全然違う動き。やってきたつもりですけど、股関節周りに今まで感じたことのない張りがありました。すごくいい話も聞けた。継続できれば投球にもつながる。球の強さが変わってくる感じがする」と目からウロコの連続だったよう。

　武蔵川親方は「腹筋が弱い。腰を痛めたり、けがにつながる。四股は体全体を使う。毎日やればいい。結果につながると思うよ」と効果を説明した。

　稽古終了後はちゃんこも振る舞ってもらい、力士体験は収穫ばかり。「今年はまずはＡクラス。そこからが勝負。貢献できるような投球ができれば」と目標を掲げた。自慢の剛球に四股パワーを加えて３年目の飛躍につなげる。