巨人上原の生き様「励みになってくれたのなら…」グラウンド内外で模範に

 巨人・上原浩治投手が20日、21年間の現役生活に終止符を打った。投手として試合で活躍を続けたのはもちろんだが、野球人として、そして人として周囲の模範となった。

 都内で行われた引退会見では号泣。「もうちょっとやりたかったという、そういう思いです」と、未練ものぞかせた。ただ2軍でも結果を出せず、「8月、9月になると、チームは首位争いをする状況になる。(その時期に)自分がこういう会見をするのは違うと思ったので、それなら早く終わろうと思いました」と、チームへの思いを優先した。

 東海大仰星では控え投手。一浪して大体大に入学した。“雑草魂”を座右の銘に超一流への道を駆け上がったが、野球に取り組む姿勢、グラウンド外での行動は後輩の模範となった。

 昨年3月に上原が復帰後、その後ろ姿を見てきた菅野が「財産になった。ちょっとでも受け継いで、もっと近づいていきたい」と言えば、山口も「練習をやることに対して、妥協しない。見せてもらった」と、尊敬の念を口にした。

 上原が残した伝統はグラウンド内だけではない。巨人は被災地支援や骨髄バンクへの登録活動、選手による病院慰問など社会貢献活動に積極的だが、球団とともに先導したひとりが上原だった。

 06年、上原は自ら骨髄バンクに登録し、世間にPR。現在は菅野が受け継いでいる東海大学医学部付属病院への慰問も上原が率先して行い、主力選手がトナカイのぬいぐるみを着て闘病中の子供たちを勇気づけることが恒例行事となった。

 引退会見では「病気の子供さんたち、苦境に立たされている方へのメッセージになったのではないか」と問われ、きっぱり言った。

 「手を抜いて投げたことはないですし、今年に限っても若い選手たちと一緒に練習もした。抜いて練習をしたこともなかったので。そういう姿を見て励みになってくれたのならうれしい」。多くの夢を与え、プロとしての姿を示し続けた21年間だった。

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