好調巨人を支える投打の救世主 15年ドラフト下位の“伏兵コンビ”が成長
巨人が好調をキープしている。8日のDeNA戦は、逆転で20勝にリーグ一番乗り。2位ヤクルトに2差をつけ、首位を快走している。
先導しているのは開幕から33試合連続出塁の坂本勇。新加入の丸も打率・328としっかり結果を残している。投手では菅野、山口の両輪もトータル9勝。期待通りの働きといえるだろう。
ただ、奮闘しているのは主軸だけではない。チームは正二塁手の吉川尚、守護神のクックが離脱する緊急事態が発生したが、その穴を埋める選手も台頭した。ともに4年目の山本泰寛内野手と、中川皓太投手だ。
山本は19試合に出場し、打率・333、0本塁打、7打点。粘り強い打撃で10四球を選び、出塁率は・448と高い。11試合で打率・390、出塁率・432だった吉川尚に劣らない成績を残している。
8日のDeNA戦でも1番で5打席に立ち、1安打1四球。2番坂本勇につなぎ、大量得点を演出した。試合後、原監督は「四球でつなぐという、ボールをセレクトできることも改めて大事なことだと思った。相手心理という部分においても、次は坂本(勇)という部分においても素晴らしいつなぎだった」と評価した。
2軍からはい上がり、いまや正二塁手に定着してしまおうかという勢い。デイリースポーツ評論家・関本四十四氏は「重信と同様に、とにかく練習熱心。自分が目指す方向も分かっていて、右打ちに徹したり、粘って四球を選んだり。元木コーチの現役時代のような、いやらしい選手になれるのでは」とした。
投手陣では中川の活躍も目立つ。勝ちパターンの中心を託されていたクック、吉川光が2軍へ。不安を抱えていたリリーフ陣がさらに危機的状況となったが、中川が14戦無失点の快投。8日のDeNA戦は抑えの役割を担い、今季初セーブを飾った。
入団から左肘の高さを変えるなど、試行錯誤。今季はフォームも固まり、スリークオーター気味の角度から、150キロ前後の直球と切れ味鋭いスライダーで打者を圧倒している。「球のつかみ、腰の回転がマッチして指先からいい球が放れている。広くベース盤を使って、右打者にも内外角をきっちり投げられている」と関本氏。対右打者も被打率・172としっかり抑えており、1イニングを危なげなく封じている。
ともに15年ドラフト組で、山本は5位、中川は7位の下位指名。“伏兵コンビ”が成長し、チームに欠かせない存在となった。