オリックス 引退の小谷野へ白星ささげられず 福良監督「事を起こさないと」

 「オリックス1-2日本ハム」(27日、京セラドーム大阪)

 白星は贈れなかった。オリックス・小谷野栄一内野手(37)が27日、今季限りでの引退を発表。チーム最年長のベテランに勝利を届けたかった一戦で喫した敗戦。「事を起こさないと」。好機で凡退した打線に福良淳一監督の言葉が重く響いた。

 ハムの投手陣を捉えきれない。打線は8回まで無得点。九回に代打・T-岡田の12号ソロで1点を返すのがやっとだった。五、六回はともに無死二塁から無得点に終わった。

 特別な思いがある。日本ハムのコーチ時代から指導してきた小谷野の引退を受けた福良監督は「病気(パニック障害)がありながら、よく野球がやれるようになったなと。本当にキツかったと思います」。オリックスでのリーグ制覇はかなわなかったが「いい所で打ってくれたし、精いっぱいやってくれた」とねぎらった。

 敗戦の中でも来季への明るい光が見えた。先発・東明が7回6安打2失点。今季3敗目となったが、昨年受けた2度目となる右肘の手術後最多となる107球。試合中にベンチで右腕と会話を交わしていた福良監督も「(会話の話題は)来年のこと。今の肘の状態とか。100球超えたけど大丈夫でしょう」とうなずいた。

 チームはこの日の敗戦で日本ハムに今季カード負け越し。残り5試合。少しでもファンを沸かせる試合を見せていきたい。

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