済美、小技&スピードで初戦突破 四回に重盗で追加点 1年生が本盗成功

 「第100回全国高校野球選手権・1回戦、済美5-4中央学院」(5日、甲子園球場)

 済美(愛媛)が中央学院(西千葉)を下し、2年連続で初戦を突破した。打線が9安打を放ち、四回に重盗を決めるなど小技も生かして5点を奪った。2回戦では星稜(石川)と対戦する。

 今年の済美は小技も光る。1点差の接戦を制して2年連続の初戦突破。お立ち台に上がった中矢太監督(44)は、喜ぶナインを見つめながら「出来すぎです」と喜んだ。

 “脇役”のバットと俊足が勝利を引き寄せた。2-2の同点で迎えた四回、2死一、二塁のチャンスで9番・政吉完哉外野手(3年)が、中前へ勝ち越し適時打を放った。

 「ここで自分が決めなければと思った。センター返しを意識しました」

 なおも2死一、三塁のチャンスで50メートル6秒0の一走・政吉がスタートを切る。相手捕手の二塁への送球が投手の頭上を越えるのを確認すると、今度は三走・山田響外野手(1年)が猛然と本塁へ突入した。山田は捕手のタッチをかいくぐって生還。鮮やかな重盗成功で大観衆を沸かすと、続く1番・矢野功一郎内野手(3年)も右前へ適時打を放ち、この回3点を奪った。

 昨夏は3試合で6本塁打を放つなどパワフルな攻撃で16強入りした。もともと「強打」のイメージが強い済美だが、今年のチームは昨年に比べてパワーに劣る。中矢監督は「守りとスピード」を武器に戦う方針を打ち出し、チームを強化してきた。この日は送りバントも3つ成功。手堅い攻撃も加えて中央学院との接戦を制した。

 地元・愛媛県は西日本豪雨で甚大な被害を受けた。初戦前夜のミーティングで中矢監督は「最後まであきらめずプレーすることがメッセージになる」とナインに伝えた。

 4打数4安打の活躍を見せた1番・矢野は「自分を信じて、楽しもうと思った」と胸を張る。2回戦の相手は星稜。「チームは一歩ずつ力をつけている。しっかり休養を取って臨みたい」。中矢監督は冷静に次戦を見据えた。

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