殿馬が聖地に帰ってきた 日大山形・高橋殿馬「タイプ似てる」
甲子園に帰ってきたづら!?第90回記念選抜高校野球大会(23日開幕)の甲子園練習が19日、行われ、日大山形の高橋殿馬内野手(3年)は、父の野球好きが高じて漫画「ドカベン」の登場人物・殿馬一人から命名されたチームのキーマン。数々の秘打で甲子園を沸かせた本家のような活躍で、日大山形を82年以来36年ぶりのセンバツ勝利へ導く。
身長168センチと小柄で、打順は2番。二塁手ではないが、同じ内野の三塁を守る。日大山形の殿馬が、本家も躍動した甲子園で駆け回った。
珍しい名前は父・薫さん(49)に名付けられた。「ドカベン」の登場人物・岩鬼か、殿馬が候補で、野球も勉強も優秀だった殿馬となった。高橋は父の願い通りに成長。日大山形のレギュラーとして36年ぶりのセンバツへ導いた。
「名前は気に入っている。選手としてのタイプは似ていると思うし、名前負けしないようにしたい」
幼い頃にアニメは全て見た。本家のように、ピアノは習っていないが、個性的な打撃はマネをしたことがある。殿馬が見せた「G線上のアリア」、「花のワルツ」などの数々の秘打の中、バットのヘッドでバントする「黒田節」は実際に練習したという。
回転しながら打つ「白鳥の湖」も知っているが、「あれで(本塁打を)打てれば最高ですけど、チームの勝ちにつながるような打撃をしたい」。目立ちたい思いは封印し、プレーに集中する。
昨秋の公式戦は打率・355で無失策。バントも得意。チームメートからは「とのま」と呼ばれ、荒木準也監督(46)からは、岩鬼がそうしたように「とんま」と呼ばれるムードメーカーでもある。
何度も明訓を救った殿馬同様、高橋も日大山形に欠かせない存在。曲芸のようなプレーはできなくても、堅実なプレーで本家のようにチームを支える。