DeNA・浜口 八回1死まで「ノーノー」 ルーキーが救世主!勇気の119球

 「日本シリーズ・第4戦、DeNA6-0ソフトバンク」(1日、横浜スタジアム)

 ルーキー左腕の快投が工藤ホークスに「待った」をかけた。DeNA先発の浜口遥大投手(22)が八回1死まで無安打の好投でソフトバンクの強力打線を封じ込めた。7回2/3を2安打無失点、7奪三振の力投でチームに勢いと今シリーズ初白星をもたらした。対戦成績は1勝3敗。レギュラーシーズン3位からの“下克上”日本一への挑戦は、まだまだ終わるわけにはいかない。

 断崖絶壁に立たされたチームを快投で救ったのはルーキーだった。八回1死まで無安打とほぼ完璧な投球。日本シリーズ初登板で7回2/3を2安打無失点で連敗を止め、勝利を呼び込んだ。浜口は「すごく緊張はしましたが、自分の持っている力を全力でぶつけようと思いました」と充実感を漂わせた。

 0勝3敗で迎えた正念場の第4戦。「自分が終わらせないように気持ちを込めて投げた」。その言葉通り、がむしゃらに左腕を振り直球、チェンジアップなどの変化球で超強力打線を手玉に取った。3戦連続で初回に先制されてきたが、新人は一回をきっちり抑えリズムに乗った。

 八回1死後に代打・鶴岡に右中間二塁打を打たれ悔しそうな表情を浮かべた浜口。単独投手による日本シリーズ初のノーヒットノーラン達成はならなかったが、「とにかくゼロでチームが勝てるようにそこだけ考えていました」と頬を緩めた。

 119球の熱投を見せた左腕。「信じられないぐらい素晴らしい活躍でした。ルーキーには見えないほどの本当にいいピッチングをしてくれたと思います」と大感激の表情で絶賛したのは、ラミレス監督だ。難しい代え時。それでもノーヒッターの個人記録を優先することはなく「100球を超えたぐらいで代え時をさぐった」と説明した。

 指揮官はその潜在能力にほれ込んだ。今季は故障で離脱した時期もあったが、それ以外は不振でも打たれても、我慢してローテの一角を任せた。「ハートも強いし、スタミナも素晴らしい」。快投にも「驚いてはいない」と平然としていた。

 0勝2敗で迎えたCSファイナルS第2戦の先発を託し、第5戦で中継ぎ起用された“ラミレスチルドレン”。リリーフを経験し「腕を振って投げれば、甘くても抜けても打たれないと分かった」と浜口。大一番でチームを今シリーズ初勝利に導き、進化も果たした。頼もしい新人左腕の投球が、チームに再び勢いをもたらす。

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