ロッテ・伊東監督、「1点の壁が厚い」 ソフトバンクに1点差負け
「ロッテ2-3ソフトバンク」(9日、ZOZOマリンスタジアム)
一塁ベンチにはお祭りの後のような寂しさが漂った。
8日の同カード、ロッテは19安打で今季最多の17得点を挙げた。それが一転して、最も悔しい1点差負けだ。
ソフトバンクに負け越しが決まった。
「チャンスがあって…今年、ここ数年のソフトバンクとの戦いで1点、きょうがあれ(典型)でしたね。1点の壁がなかなか厚い」
伊東監督は自らこう切り出した。
先発のスタンリッジが三回に2死から3失点した。
松田に先制となる17号ソロ弾を浴び、続く柳田の打球は左翼線方向へ。追いかけた平沢と加藤の前にポトリと落ちた。二塁打だ。
デスパイネが149キロのストレートを捉え、右中間を割る二塁打で柳田を迎え入れた。
さらに中村も2-2から150キロストレートを右に適時打だ。
スタンリッジはこう振り返った。「全体的には自分の投球、粘りの投球はできたと思うけどね。三回だけね。失投もあったけど、不運な当たりもあり、何とかあの回を乗り切れていたらね」
しかし、伊東監督は「粘ったように見えたが、3人で終わっていないから、スンナリと攻撃に入っていけなかった」と評した。
一、二回ともに2死から走者を出し、四回は先頭打者の高谷に右前打を許した。五回には1死から柳田に右前打された。
三回以外は得点に結びつかなかったが、打線にリズムを呼び込めなかった。
「昨日は大味なゲームだったから、今日は接戦になると思っていた。こんなゲームを取っていかないと。なかなか厳しい」(伊東監督)
角中1人が気を吐いた。
3点を追った四回無死一塁。3試合連続となる適時打が三塁打となった。押せ押せとなったが、鈴木、根元、中村が凡打に倒れた。
五回には無死から安打で出塁のサントスが二盗から、バンデンハークの暴投に乗じて三塁を陥れた。
しかし、期待のシーンはすぐにしぼんだ。田村が三ゴロ、平沢が空振り三振、加藤が左飛に終わった。
六回無死二塁。またもや角中だ。中前への適時打で1点差に迫ったが鈴木が遊ゴロ併殺打。根元は空振り三振を喫した。
バンデンハークは時に150キロを超える速球を主体に、110キロ台のカーブ、130キロ台のスライダーを操った。この緩急に前夜19安打をマークした打線の面影はなかった。
7回2失点のバンデンハークの後を受けた岩嵜に八回、そしてサファテに九回を三者凡退に封じられた。
1点の最少得点差はまた、伊東監督が指摘するように、分厚い壁と言える1点でもあった。
「投手はいいと言っても、打っていかないと勝ち目はない。今後の課題です」
指揮官は最後に力を込めて言った。10日もゲームはある。