中京学院大 虎のドラフト1位候補・吉川が弾丸ツアーで決勝弾

同点の三回、右中間へ決勝アーチを放った中京学院大・吉川=長良川球場
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 「東海地区大学野球連盟岐阜リーグ・第1節1回戦、中京学院大6-1岐阜大」(28日・長良川球場)

 春の大学選手権を制した中京学院大が逆転で開幕戦を制した。阪神などがドラフト1位候補に挙げる吉川尚輝内野手(4年・中京)が、決勝弾を含む2打数2安打2打点の大活躍。前夜にQVCマリンで行われた高校日本代表-大学日本代表の壮行試合に参加し、始発で千葉から岐阜へ駆けつけたチームリーダーが躍動した。

 まだ日も昇っていない午前4時20分、吉川は目を覚ました。睡眠時間はわずか1時間20分。シャワーを浴び、5時20分発の海浜幕張発東京行きの在来線に飛び乗った。

 東京駅で始発の新幹線に乗り換え、岐阜駅に到着したのは午前8時半。そこからタクシーで球場に向かい、午前10時開始の開幕戦オーダーに「3番・遊撃」で名を連ねた。

 「こんなにしんどい試合は初めてでした」と言うものの、1-1で迎えた三回1死からの第2打席。カウント1ボールから直球を完ぺきに打ち返すと、打球は右中間最深部へ飛び込んだ。勝ち越しソロでチームに勢いをつけると、続く四回1死一、二塁の第3打席は、追い込まれながらもスライダーを押し込んで三遊間を破った。

 さらに4番・山崎善隆捕手(4年・昭和第一学園)の右越え適時二塁打で一塁から長躯、ホームイン。その際に左足がつってしまい、リードを広げた5回終了時でお役ご免となったが、近藤正監督(68)は「無理するなと言っておったんですけど。チームリーダーですから。勢いをつけてくれた」と目を細める。

 当初、あまりの強行日程だったことで、開幕戦は起用しない方針だったという。それでも本人が志願し、代表に合流する前から乗り換え案内で旅程表をチェック。始発に乗れば間に合うことが判明し、前日にも電話で最終確認をした。

 「いつも状態がいいわけではないですから。そういう気持ちの部分はこれからの野球人生で大事。気持ちで何とかなる部分もありますから」と近藤監督。試合後、「今は開幕戦に勝ててホッとしています」と語った吉川の表情からは、さすがに疲労の色がにじんでいた。 

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