花咲徳栄・高橋昂也“圧投”で甲子園!37回無失点&52K

 「高校野球埼玉大会・決勝、花咲徳栄6-0聖望学園」(27日、埼玉県営大宮公園野球場)

 花咲徳栄が2年連続4度目の優勝を果たした。今秋ドラフト候補のMAX152キロ左腕・高橋昂也投手(3年)が4安打完封。今大会6試合の登板で37回無失点、52奪三振という圧倒的な成績で、3季連続の甲子園出場を決めた。

 最後は狙った。高橋昂が捕手のサインに首を振った。優勝を決める1球に選んだのはフォーク。大会52個目の三振を見逃しで奪うと、両手でこん身のガッツポーズを作り、歓喜の輪にのみ込まれた。

 「ピンチだったので、できれば三振を取りたいなと思った。最後まで何が起こるか分からないので、気を引き締めて投げた」。九回2死三塁。6点リードでも試合終了の瞬間まで隙は見せず、しっかりと大会37個目のゼロを並べた。

 連投のマウンドで最速148キロを計測。奪った三振は4つでも、八回まで二塁を踏ませず。左肩の張りを感じながらも、最後までマウンドに立ち続けた。初回から味方の援護にも恵まれ、危なげなく投げ切った。

 5回戦は6回14奪三振の完全投球で、続く準々決勝は6回11奪三振の無安打投球。準決勝も13奪三振で完封。非の打ちどころのない快投は、プロの球団幹部も動かした。この日は7球団のスカウト陣が視察し、巨人・堤GMも「担当から伸びていると聞いていたので見に来た」と足を運んだ。「力のある球。高校生の左であれだけ投げられる投手は、なかなかいない」とうなった。

 コツコツと真面目に重ねた努力が、春から夏にかけての爆発的な成長につながった。センバツの初戦敗退後に左背筋を痛めたのも、球速を取り戻そうと投げ込み過ぎたためだ。6月には岩井隆監督(46)に言われ、自宅から学校までの約9キロを片道1時間半かけて、荷物を背負ってランニングで通学。Oサイズのユニホームのズボンが、はち切れそうな下半身を作り上げた。

 今大会は防御率0・00。被安打は11で、与えた四球はたった2つ。奪三振率は12・65と圧倒的な数字が並ぶ。高橋昂は「ずっと3季連続の甲子園を目標にやってきた。ホッとしました。甲子園でも最後まで自分の投球ができればいい」と、わずかに表情を緩めた。ドラフト候補の好投手が顔をそろえる3度目の聖地。進化した“埼玉のドクターK”が、その主役に踊り出る。

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