山中正竹氏、東京六大学不滅の48勝

 野球殿堂博物館の表彰委員会は18日、今年の野球殿堂入りを発表した。競技者表彰のプレーヤー表彰に巨人で3度の沢村賞に輝いた現巨人2軍監督・斎藤雅樹氏(50)、実働29年で通算224勝を挙げた現ソフトバンク監督・工藤公康氏(52)、エキスパート表彰では、元毎日・榎本喜八氏(故人)を選出。特別表彰では法大投手として通算48勝で東京六大学リーグの記録を持つ山中正竹氏(68)、戦後の野球復興に尽力した松本瀧蔵氏(故人)が選ばれた。

 小さな大投手は、しみじみと殿堂入りを喜んだ。法大時代の写真パネルの前に立った山中氏は「感謝申し上げたい。48勝という勝ち星が評価されたのだと思う」と、静かな口調で思いを語った。

 身長168センチ。不滅と称される大記録をつくれたのは、負けん気の強さがあればこそだ。1年春に2勝を挙げたが、松永怜一監督から「1年春に活躍した選手は4年活躍したことがない」と言われ「絶対4年間、投げ続けてやろう」と、闘志に火が付いた。「オレが一番走った人間だと思っている」と自負する徹底的な走り込みと腹筋、背筋で体幹を強化。「いろいろピッチングを考えた」と、スクリューボールを操る左腕の先駆けにもなった。

 その後は社会人野球、指導者として活躍。92年バルセロナ五輪では銅メダルを獲得した。「48勝という記録を誇りと自信に、時には叱咤(しった)され、野球人生を歩んできた」。20年には東京五輪が控える。国際大会も含めて豊富な経験を持つ山中氏は「得た知見を次の世代にお伝えするのが使命だと思っている」と力を込めた。

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