De山崎康32S!小さな大魔神大記録
「DeNA2-1ヤクルト」(20日、横浜)
この日も1点差だった。DeNA・山崎康がマウンドで立ちはだかった。大引、武内を連続三振で2死。続く中村を2ストライクに追い込むと自然発生的に「ヤ・ス・ア・キ」の大合唱が響く。遊ゴロに打ち取って、さらに大きな勝利の歓声を浴びた。
積み重ねた32セーブ。90年の与田剛(中日)を抜く新人最多記録をマークした。「声援がマウンドまで伝わってきました。数字にこだわりはないですが、更新していきたいです」
150キロの直球と、落差の大きいツーシームが武器。それ以上に中畑監督が強調するのは鉄のハートだ。「いい球を投げるピッチャーはたくさんいるけど、あの場面で投げる精神面の強さがある」。山崎康も「1点差の方が、投げやすいですね。余裕のない方が緊張感が続きますから」と自己分析する。
「三振をとることを、意識しています。一番リスクが少ないですからね」。失敗の許されないポジションは、前に打たせないことこそ。三振こそ安全策。この日の2Kを加えて、46回を投げて58奪三振。驚異の奪三振率11・35が、活躍の裏付けとなっている。
「こいつが出てきたら終わりという絶望感を与えるピッチャーになりたい」と将来像を思い描く。「もっと頑張ってCSに進出します」。チームの目標へ、ファンの夢へ、小さな大魔神が君臨する。