球児、出た146キロ!里帰り初登板

 「四国ILpオープン戦、高知3-3香川・徳島連合」(20日、高知市営)

 独立リーグ・四国アイランドリーグplus(ILp)の高知ファイティングドッグスに入団した藤川球児投手(34)が20日、高知市の高知球場で行われた四国ILp香川・徳島連合チームとのオープン戦で初登板した。先発で4回を投げ、5安打1失点で2奪三振。直球は最速146キロをマークした。スタンドには故郷のファン2865人が詰めかけた。

 故郷・高知の大声援に包まれて腕を振った57球。球団史上最多2865人のファンが見守る前で4回を投げ終えた藤川の顔には、少しの不満と新たな一歩を踏み出した喜びの色が浮かんでいた。

 「点を取られて悔しい。(内容は)もう少しかなあ。でも、これだけ応援してもらえて有意義なマウンドだった。元気に楽しく投げられました」

 4回5安打1失点。1四球を与え、2三振を奪った。初回、先頭打者に内野安打を許し、2死三塁から自らの暴投で先制点を献上した。二、三回は三者凡退。四回は2安打1四球で無死満塁の大ピンチを迎えたが「力の出しどころ」とギアを上げて後続を無安打に抑え、追加点を許さなかった。

 4回以上を投げるのは、阪神時代の04年7月17日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)で、救援で5回を投げて以来。1軍でとなると、03年9月19日の巨人戦(東京ドーム)で、先発で5回を投げたのが最後。「たくさん球を投げることで課題を出したかった」と本人が希望した回数だった。

 全盛期の「火の球」にはまだ遠い。ストレートの最速は146キロ。許した5安打のうち4安打は直球をはじき返されたものだ。それでも「これからよくなる。150キロは出ると思います」。復活の手応えを口にした。

 ネット裏には古巣・阪神など4球団の編成担当者が視察に訪れた。高知とは異例の「1試合ごと契約」。オファーがあればいつでも移籍できる。NPBのマウンドに立つ日をあきらめてはいない。

 午後3時の開門前に約700人の行列ができ、内野席は満員となった。試合後は多くのファンから「おかえり~」の声を浴びた。次回は27日に行われる愛媛とのオープン戦に登板予定。完全復活を見据え「心技体を整えて次の試合に向かいたい」と決意を込めた。

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