楽天ドラ1安楽、マー君との対面熱望
楽天からドラフト1位指名された安楽智大投手(18)=済美=ら新入団9選手が11月30日、コボスタ宮城や室内練習場などの球団施設を見学した。最速157キロ右腕の安楽は、「聞きたいことは山ほどある」とチームの偉大なる先輩であるヤンキース・田中将大投手(26)との対面を熱望。偉大な先輩の背中を追う。
ブルッと震えた。薄暗い曇り空の仙台は最高気温が11・5度。生まれ育った松山とは約7度の寒暖差がある。「僕はすごく寒いんですけど、球団の人に『今日は暖かい』と言われて…」。予想以上の厳しい気象条件に、安楽は苦笑いを浮かべた。
震えた理由は気温だけではない。昨秋、球団初となる日本一を決めた日本シリーズ第7戦はテレビ観戦していた。「田中さんの名前がアナウンスされた時の球場の雰囲気がすごかった。僕も日本一に貢献できるようになりたい」。球史に刻まれる伝説のシーンが脳裏によみがえった。
24勝無敗の大記録を打ち立てた絶対エースは、安楽にとっても「あこがれの人」。球団OBの田中と対面を期待するのも当然だ。「少しでもお会いできる機会があれば、聞きたいことは山ほどあります」。取材陣から「何か1つ聞くことができるとしたら」と質問されると、「1つに絞ることはできません」と顔を赤らめた。
安楽の本格的な仙台生活は、新人合同自主トレが行われる来年1月に始まる。「田中さんや則本さん、先輩方のように、早くあのマウンドで投げたい」。会ったことのない偉大なエースの背中を追う。曇天のコボスタに18歳の瞳がキラリと輝いた。