前橋育英・高橋光成 潜在能力に高評価

 プロ野球ドラフト会議が、23日午後5時から開催される。今年は早大・有原航平投手(22)、済美・安楽智大投手(17)を中心に豊作とされていた1位候補投手が、故障や不調で相次いで評価を落とす異例の様相を呈している。そんな中で人気が高まったのは、夏以降に頑健で期待通りの内容を見せた前橋育英・高橋光成投手(17)や、平成国際大の149キロ左腕・佐野泰雄投手(21)だ。

 昨夏甲子園V腕の肩書はやはりだてではない。ドラフト直前になって、高橋のポテンシャルはあらためて高く評価されている。

 188センチの長身。高低にも内外角にも角度をつけられ、スライダーとフォークをコースに決める器用さもある。2年夏から3年夏までで体重はプラス7キロ。スラリとしていた右腕の下半身は、ドッシリした安定感をまとった。最速149キロは変わらなかったが、球威は格段に増した。

 タフさは折り紙付きだ。今年1月に右手親指を骨折したのは、ボールをぶつけたアクシデントのため。昨夏は酷暑の聖地で全6試合登板5完投しながら、肩や肘に不安を抱えることはなかった。

 今夏は群馬大会3回戦で敗れたものの、9月の18Uアジア選手権(タイ)では、高校日本代表のエースに指名された。甲子園に届かなくとも『やっぱり光成は光成』と、周囲が認めてきた。

 前橋育英の荒井直樹監督(50)は「おごることなく、変わらずやっていたのが一番の成長」と話した。丈夫な体と向上心に裏打ちされた伸びしろは、十分にある。「課題は制球。上のレベルでも通用するように、しっかり練習したい」と、冷静に自分を見据える高橋。「どんな試合でも負けない投手」という理想は、プロで最も求められる資質でもある。

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