M田村プロ初サヨナラ打!代打なし奮起
「ロッテ4‐3オリックス」(19日、QVC)
負ければ自力CSが消滅する戦いで、チームの危機を救ったのは、高卒2年目のロッテ・田村だった。同点の九回2死二塁。148キロの直球を平野佳の足元にはじき返すと、中前に抜けるプロ初のサヨナラ打となった。
リーグ随一の守護神の速球にも屈しなかった。「二塁走者が岡田さんだったので、何とかヒットならサヨナラになるかなと思いました」。これまでなら、田村の打席で福浦、サブローら代打が起用される場面だったが、この日から、ベンチ入り捕手は2人体制。
「打席が回ってきたとき、代打が出ると思って気を抜いてる部分もあったんですけど、『行け』と言われたので、バットに当てることだけを考えました」と笑わせたが、大胆さが身上の20歳が、仕事をやってのけた。
8月は大好きな季節だ。2年前の夏、光星学院の主将として、現阪神・北條ともに甲子園で3季連続準優勝。今大会も20日に後輩たちが8強入りをかけて戦う。「僕が3年のときの1年生が出ていて知ってる子たちもいっぱいいるので、応援したい」と、後輩たちの存在を刺激にした。
ベテラン里崎、ルーキー吉田ら捕手が相次いで故障に見舞われ、現在正妻の座に1番近いのがこの田村。CS進出へあきらめない伊東ロッテには、この田村がいる。