渡辺会長出廷、清武氏は「二重人格的」

 巨人の球団代表を解任された清武英利氏(63)と巨人側が互いに損害賠償などを求めている東京地裁の訴訟で5日、巨人・渡辺恒雄球団会長(88)と清武氏が証人尋問で東京地裁の法廷に立った。発端となったコーチの人事に関して、互いに人事権を有していると主張。渡辺会長は清武氏を「二重人格的」と言い放つなど、激しい応酬を繰り広げた。

 渡辺会長と清武氏の“因縁”の対決は、32枚の一般傍聴券を求めて414人が並んだほど注目を集めた。午前10時過ぎに渡辺会長、清武氏、尋問を行った巨人・桃井球団社長の3人が並んで宣誓。主尋問は渡辺会長が午前11時27分、清武氏は午後3時4分に開始。休憩を挟んで約7時間にも及んだ。

 一連の騒動の発端となったのは2011年11月に清武氏が開いた会見。渡辺会長がOBの江川卓氏の招へいなど、コーチ人事に不当介入したと批判した。

 渡辺会長は尋問で、会見の直前、清武氏に会見を思いとどまるよう電話で説得したことを明かした。「分かりましたと言ったので、やめてくれるのだと思った」と証言。だが実際は会見が行われ「二重人格的」「GM職を外されるという自分の人事に対する憂さ晴らしだ」と非難した。

 同年10月20日、清武氏らは渡辺会長に翌年のコーチ人事を報告。これに対し渡辺会長は「そうか、分かった」と返答したという。

 この時のことを渡辺会長は、会食に出かける時間が迫っており、人事案をよく読んでいなかったとした。「そうか、分かった」の発言の趣旨も「早く僕の前から消えてもらう」ためとした。コーチ人事に関して、清武氏は自身に人事権があったとしているが、渡辺会長は「僕の承認が必要」と主張した。

 清武氏側の吉峯弁護士による反対尋問では、緊迫した雰囲気が充満。指をさして語る渡辺会長に、吉峯弁護士が「指なんてさすな!」と激怒。裁判長が「法廷は冷静な場ですから」とたしなめる場面もあった。

 3年ぶりに再会した両者はヒートアップ。今回の裁判は9月18日に結審する予定だ。

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