今季2勝の大場 現状維持でサイン 

 ソフトバンクの大場翔太投手(28)が6日、福岡市のヤフオクドームで契約更改交渉に臨み、現状維持の1600万円で更改した。来季は背水のプロ7年目に臨む。

 今季は11度の先発機会を与えられながら、わずか2勝。通算でも15勝と伸び悩んでおり、来季を「本当の意味で勝負のシーズン」と位置づけた。ドラフトでは6球団が1位指名で競合。「平成の鉄腕」と称された男は背番号も「17」から「29」に変更し、決意のシーズンに臨む。

 ダウン更改を覚悟していた大場は、現状維持の1600万円という“温情”査定に腹をくくった。

 「本当にありがたいこと。でもこれ以上、球団に迷惑をかけられない。毎年期待してくださるのに、何もお返しできてない。もう甘えてはいけない。来年ダメなら野球をやめる。そのくらいの気持ちで臨みます。本当の意味で勝負のシーズン」

 今年はスタートでつまずいた。しかも本業の野球ではなく、私生活での失敗だった。2月の宮崎キャンプ。A組(1軍)スタートを勝ち取ったが、第3クール初日の練習に寝坊で遅刻。即刻、B組(2軍)へ懲罰降格された。

 「あれが全て。何も言い訳できない。自分の意識の甘さだと思う」。当然ながら開幕は2軍スタート。5月に先発陣の故障離脱などで2度の先発機会をもらいながら、いずれも黒星に終わり、チャンスを生かし切れなかった。最終的に手にした白星は2個だった。

 ドラフトでは6球団から1位指名を受け、リーグ史上初の初登板無四球完封勝利デビューを飾った。プロ3戦目では2度目の無四球完封勝利に球団新記録の16奪三振で花を添えるなど、確かに輝きを放っていた。それだけに、大学時代は「平成の鉄腕」と称された自分の落ち込みぶりが、誰より許せなかった。

 来季の働き場として、大場は「求められるならどこでも」と前置きした上で、はっきり言った。「やっぱり先発にはこだわりがある」。入団以来背負った「17」の背番号にも自ら別れを告げ、新たに「29」を着ける。背水の思いで、プロ7年目に臨む。

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