ライアン小川、小柄も創意工夫で新人王

 セ、パ両リーグは25日、今季の最優秀新人(新人王)を発表し、セはヤクルト・小川泰弘投手(23)、パは楽天・則本昂大投手(22)が選出された。小川は16勝で最多勝に輝き、ヤクルトからは05年の青木宣親外野手以来、8年ぶり10人目の受賞となった。

 身長171センチの小柄な体から、ダイナミックな投球フォームで並み居る強打者たちをナデ斬りにした。巨人・菅野、阪神・藤浪に大差をつけ、一生に一度しか得られない賞を手にしたライアン。「体の大きな選手に勝つことができれば、子どもたちにも勇気を与えることができる。そう思っていたのでうれしい」と、ポーカーフェースを崩した。

 入団当初は、菅野、藤浪の注目度にはかなわなかった。だが、話題性、恵まれた体格を併せ持つ2人を、努力と創意工夫で圧倒。「自分と違って注目度の高い選手がたくさんいた。意識しなかったと言ったらウソになる」。持ち前の反骨心が、自らを突き動かす原動力になった。

 迎える来季。2年目のジンクスなどとは言わせない。侍ジャパンで同じ釜の飯を食った昨季の両リーグ新人王、広島・野村とロッテ・益田からは、2年目の心得を伝授された。「今年のことは過去の話として良い意味で忘れて、さらに上を目指す」と慢心はない。

 掲げる来季の目標は、防御率1点台と、200イニング到達。「防御率にこだわって1点台を目指したい。そうすれば、勝つ確率も上がる」。早くも進化への具体的なビジョンを描いた。

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