「日本シリーズ・第４戦、巨人６‐５楽天」（３０日、東京ド）

　３打数３安打２四球で３打点、５打席すべてで出塁した。誰も巨人・長野を止められなかった。四回に適時右前打で１点を追撃し、五回には２点左中間二塁打で一時逆転。七回１死二塁では、２ボールとなった時点で捕手の嶋が立ち上がった。この試合の最重要人物だったわけだ。

　厄払いの効果が出た。球場を訪れると、塩まみれのロッカールームに目を丸くした。ベンチ前には６カ所の盛り塩。白坂トレーニングコーチが２連敗の流れを変えるべく「大事な試合だから」とまきまくっていた。

　長野は「ベッタベタでしたよ。ちょっと迷惑でしたけど」とニヤリ笑って続けた。「ありがたかったです。効果テキメンです。ばっちりです！！」。

　川上哲治氏の訃報が伝わった直後の試合。「打撃の神様と呼ばれる方。この試合で打ててよかったです」。偉大なる先輩に届けと３つの快音を鳴らした。打線改造の中で不動のリードオフマン。怖い男が乗ってきた。