27歳・大島、奮起のV打!若手に負けん

 「中日4‐2阪神」(29日、ナゴド)

 風のように中日・大島が一塁を駆け抜けた。ようやく発揮できたスピードスターらしさで、追いすがる虎を振り切った。同点の八回2死満塁から、決勝の二塁内野安打。開幕から打率2割台前半と低迷した27歳が、久々に笑った。

 「とにかく打ってやろうという気持ちでした。ああいう安打が持ち味。最近若い選手が頑張っているので、負けないようにと思っていました」

 防御率リーグ4位のメッセンジャーから3四球をプレゼントされた場面で代打を任された。フルカウントまでもつれたが、押し出し四球は頭になかった。値千金の一打で、三塁走者に続いて二塁走者の平田も生還。2打点となった大島は「ラッキーです」と笑い、平田は「走塁は自信があるので、自信のあるところを見せられてよかった」と胸を張った。

 打率3割1分とブレークした昨年から一転した大島。内野安打の激減が一因だった。43本もあったのに対し、今季はこの日を含めても19本。5・6打席で1度だった飛球アウトが4・3打席あたり1度と増えた。「速い球に差し込まれ、打ち上げることが多かった。早めにタイミングを取って、前で打つことを心がけています」。来季につなげようと、試行錯誤。その成果が出た。

 好走塁で魅せた平田も大島と同様、低迷が続いた。開幕から34打席連続で無安打。それでも自己最多の14本塁打と巻き返し、この日は3試合連続となるマルチ安打だ。

 チームは3連勝となり、阪神との対戦成績は11勝11敗1分け。最後の対決となる10月1日の甲子園でも勝てば、セ・リーグ相手では唯一となる、勝ち越しを手にすることができる。

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