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甦った「東洋のマチュピチュ」世界一の産出量誇った別子銅山

 「東洋のマチュピチュ」と呼ばれて人気の別子銅山の産業遺産
 別子銅山の産業遺産
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 西日本最高峰の石鎚山に連なる愛媛県新居浜市の山系に「東洋のマチュピチュ」と呼ばれる場所がある。マチュピチュとはアンデス山麓に属するペルーのインカ帝国の遺跡だ。東洋のマチュピチュは、かつて世界一の銅の産出量を誇った別子銅山の産業遺産を観光施設として甦(よみがえ)らせた「マイントピア別子・東平(とうなる)ゾーン」にある。1973(昭和48)年に閉山するまで最盛期には鉱員ら5000人が生活していた地域。古い風景が放つ声に耳を澄ませた。

 ◇    ◇

 花こう岩や、れんが造りの建物が山の中に立ち並ぶ。別子銅山の産業遺産。うっそうと茂る木々の中に古い建築物が混在するさまは異様な迫力だ。外壁は長い年月の風雨に耐えてきたことを表すように変色し、ところどころから雑草が伸びている。

 19世紀に造られた建物にはどれほどの人々の情念がしみついているのだろう。夜に1人で来ることは絶対にできない。

 「マリントピア別子・東平ゾーン」を代表する産業遺産のひとつが、重厚な花こう岩でできた貯蔵庫だ。採掘した鉱石を保管していた場所で、1905(明治38)年ごろに建てられた。

 東平は1916(大正5)年から1930(昭和5)年まで別子銅山の採鉱本部が置かれたところ。地中深くから掘り出された銅の鉱石を坑内電車で東平まで運んでいったん貯蔵庫にため、索道(さくどう)と呼ばれたリフト状の運搬機でふもとに運んでいった。

 最盛期には銅山を開発した住友グループの社員、家族ら約5000人が周辺の社宅で共同生活をした鉱山町であり、病院や小学校、郵便局などの施設が整っていた。

 ほかでは見られない個性的な風景とあり、女優木村佳乃が主演した映画「船を降りたら彼女の島」や、沢口靖子が主演したドラマ「科捜研の女」のロケ地にもなった。

 秋を迎えるこれからの季節。マチュピチュがあるペルーは遠すぎて行けなくても新居浜なら電車で行ける!

 ▼別子銅山(べっしどうざん) 江戸時代・元禄4年に始まり、1973(昭和48)年に閉山するまで283年の歴史を持つ。坑道の総延長距離は約700キロ。地下1000メートルまで掘り続けられた。総産出量は約65万トン、世界有数の産出量を誇った時期もあった。「別子は住友第一の財本」として一貫して住友が経営し、新居浜市発展の礎となったという。

 ▼マイントピア別子 観光坑道やレストラン、温泉も整った観光施設。ここから東平ゾーンへの観光バス(1200円、ガイド付き)が発着。東平ゾーンへの道中は大変狭く、同バスの利用がお勧め。問い合わせは「マイントピア別子」(TEL0897・43・1801)。

 ▼新居浜へのアクセス 大阪市内から新居浜駅まで特急指定席を利用した場合は片道計9710円。内訳は運賃が5330円、新大阪から岡山への指定席特急料金が3210円、岡山から新居浜が同1170円。

 ▼マイントピア別子の東平ゾーンへのアクセス JR四国のタクシーを使ったプラン「駅から観タクン」が便利。新居浜駅からタクシーに乗って東平地域を巡り、マイントピア別子に寄って新居浜駅に戻る。所要時間は約2時間半。乗車前にタクシー券を購入する必要がある。指定した利用日の午前9時から午後3時の間に使用可能。小型タクシー1台につき4人まで利用できる。料金は7700円。1台利用時なので1人でも4人でもこの金額。購入はJR四国の主な駅や主な旅行会社で。詳細は「JR四国」で検索。

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