文字サイズ

吉野へいざなう「青い交響曲」近鉄南大阪線・吉野線に“大人の観光特急”

 近鉄の新観光特急「青の交響曲」。通勤電車から改造されたとは思えない豪華な内装が自慢だ
 重厚な車内。ツイン席
2枚2枚

 “桜の名所”・吉野に通じる近鉄南大阪線・吉野線に、新たな観光特急がデビューした。その名も「青の交響曲(シンフォニー)」。これまでの近鉄特急のイメージを打ち破る青と金の外装と、「しまかぜ」にも負けない豪華設備が自慢の列車に鉄っ子記者が“潜入”した。

 ◇  ◇

 大阪阿部野橋駅に、「青の交響曲」が入線してきた。近鉄特急としては初の青の車体に金のラインが目をひくが、“種車”が通勤電車だということは、鉄ちゃんならすぐ分かる。「ゆったりとした時間を楽しむ、上質な大人旅」をコンセプトとする観光特急にしては、少々地味なイメージは否めなかった。

 だが車内に入ってその豪華さに驚く。木目調の車内は「丹後絨通」のカーペット敷きで、吉野の山々をイメージした緑色の重厚な座席が2列+1列で並ぶ。肘掛けには吉野産の竹を利用するなど、「しまかぜ」の座席と同じ天龍工業の特注品だ。

 通勤電車での側扉だった部分は向かい合わせのボックス席「ツイン席(2人用)」と「サロン席(3~4人用)」を設置した。改造された列車には、座席と窓の位置が合わない箇所が出てくることがあるが、「青の交響曲」はすべての座席から車窓を楽しむことができる。

 「電車ならではの設計上のしばりに苦労しました」と語るのは、設計を担当した全日本コンサルタント・技術部主任の木村昭一さん。レトロ調の車内には桜の飾りや、図書コーナーなども設置。車内だけを見れば元が通勤電車とは想像がつかないくらいの出来だ。

 2号車はラウンジ車両。20席分の革張りソファ、細長い側窓は、まるで高級ホテルのサロンのようだ。カウンターバーにはサーバーが装備され、「シンフォニーハイボール」(500円)や、「吉野の地酒飲み比べセット」(1200円)など沿線の魅力が詰まったオリジナルメニューが「大人の旅」を演出する。

 お酒が苦手な人には、「季節のオリジナルケーキセット」(1100円)や、「西吉野の柿スイーツセット」(650円)などスイーツも充実している。

 「青の交響曲」で吉野は桜だけではないことをもっとアピールしたい-。近鉄は沿線風景を四季の花木で彩る取り組みを進めている。観光事業統括部の下釜恭道さんは、「福水駅から薬水駅の間にモミジ570本を集中的に植樹しました。数年後には“モミジのトンネル”になるかもしれません」と教えてくれた。

 吉野駅に到着。もうちょっと乗っていたかったと思わせる1時間16分の旅路だった。料金は1690円(大阪阿部野橋~吉野間)。この秋、ちょっと気取って「青の交響曲」で新たな吉野を見つけにでかけませんか-。

 ◆運転区間 大阪阿部野橋~吉野を1日2往復。水曜日をのぞく週6日運行

 ◆料金 大阪阿部野橋~吉野で1690円(普通運賃970円+特急料金510円+特別車両料金210円)。小児は860円。

関連ニュース

    デイリーペディア

    旅最新ニュース

    もっとみる