阪神・工藤 胴上げ投手へ意欲 昨季は2軍戦後にTV観戦「悔しかった」 甲子園3連戦でV決める
阪神の工藤泰成投手(24)が28日、甲子園の室内練習場で全体練習に参加し、胴上げ投手への意欲を燃やした。自慢の剛速球を武器にここまで11セーブを挙げ、守護神としての信頼を着実に積み重ねてきた。優勝へのマジックナンバーを「4」としているチームは29日からのヤクルト2連戦、10月1日の巨人戦と甲子園での3連戦を控える。「甲子園で優勝したい」と意気込む右腕が、歓喜の輪の主役となる。
連覇を決める最後のアウトを取る。投手であれば誰もが憧れるであろう特別な瞬間。胴上げ投手の権利に最も近いのが工藤だ。「マウンドに集まりたいなと思っていた」。目の前で優勝を経験するのは2024年の四国ILp徳島時代以来。これまでの人生で胴上げ投手の経験は「ない」と言うが、イメージはできている。
昨季のリーグ制覇の瞬間、工藤の姿は2軍戦を終え、帰宅した寮の自室にあった。「その場にいなかったのが、悔しかった」。テレビ画面の向こうで、歓喜に沸くナインの姿。その時に味わったふがいなさと悔しさが忘れられない。それを原動力に変え、日々の鍛錬と信頼を積み重ね、チームの命運を握る九回のマウンドを託されるまでに急成長した。
ここまで53試合に登板し、3勝0敗、12ホールド、11セーブ、防御率は0・95と圧巻の成績を残している。6月に3者連続3球三振のイマキュレートイニングを達成するなど、中継ぎとして頭角を現すと、球宴明けに守護神へ定着。今月18日には育成出身投手では球団初となる10セーブをマークするなど、順調に歩みを進めてきた。
「積み重ねていくことの大切さは分かりました。今年1年、まだ終わってないですけど、これからに生かせるような経験もたくさんできた」と語る通り、数々の修羅場をくぐり抜けた経験が、守護神としての確固たる自信と抜群の安定感を生み出している。
優勝へのマジックナンバーは「4」。29日からヤクルトとの2連戦、10月1日には巨人戦と、甲子園での3連戦が控える。多くのファンと優勝の喜びを分かち合うためにも、この3連戦でペナントを手中に収めたい。右腕は「もちろん甲子園で優勝したいですけど、そこは一試合、一試合という感じ」と、聖地での胴上げを夢見ながらも冷静に目の前の試合を見つめる。
優勝決定のマウンドへ向かう心境は「いつも通り」と工藤らしく力強く答えた。押しも押されもせぬ虎のクローザーとなった今、九回のマウンドを譲るつもりはない。あの日テレビ画面の前にいた男が、今度は歓喜の輪の主役となる。
【阪神23&25年胴上げ投手メモ】
◆23年9月14日・巨人戦(甲子園) 優勝マジック1で迎えた巨人戦で11連勝フィニッシュ。岡田監督が6度、宙に舞った。投手陣は才木、岩貞、石井、島本、岩崎の投手リレーで逃げ切り。スコア4-2で迎えた九回に登板した岩崎は、巨人・坂本にソロ本塁打を許したものの、後続を断ち胴上げ投手。
◆25年9月7日・広島戦(甲子園) NPB史上最速優勝日。Vマジック1で迎えた広島戦で勝利し藤川監督が球団史上初となる新人監督優勝。投手陣は才木、湯浅、桐敷、及川、石井、岩崎のリレー。スコア2-0で迎えた九回を岩崎が三者凡退に抑えて胴上げ投手。
