阪神・石井 江夏に並ぶ41回無失点 球団歴代3位 悪送球に「話にならない」と表情は厳しく

 8回、走ってマウンドに向かう石井(撮影・西岡正)
 8回、ピンチを迎えるも表情変えずひと息入れる石井(撮影・田中太一)
 8回に登板し力投する石井(撮影・西岡正)
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 「ヤクルト1-3阪神」(22日、神宮球場)

 最後のアウトを見届けた阪神・石井は、フーッと大きく息を吐く。ボールをこぼしながら献身的な守備を見せた大山も、足早にベンチに戻ると静かに笑みを浮かべた。連続試合に連続イニング…投げるたびに記録が生まれる日々。またレジェンドに肩を並べた。前人未到の領域に足を踏み入れ始めた。

 出番は八回だった。名前をコールされると沸きに沸くスタンド。先頭の古賀を3球連続の直球勝負で右飛に抑えた。だが、簡単には終わらない。岩田に意表を突くセーフティーバントを決められ、処理に焦った石井が一塁に悪送球。二塁に進まれピンチを背負った。

 珍しく制球にも苦しんだ。代打・宮本を右飛に抑えたが、続く増田の打席で暴投と四球を与え一、三塁。最後は代打・長岡を一ゴロに抑えたが、勝利に沸く試合後も表情はさえない。悔しさをかみ殺すようにうん、うんとうなずき、口を開いた。「本当にあのミスは話にならない。明日、頑張ります」。ドラフトでは支配下指名最後の74番目から、反骨心で積み上げてきたプロ野球人生。結果で一喜一憂はしない。

 「大智(だいち)」の名前には、父・智之さんの思いがある。「私の一字に大をつけて、大きな人間に育てという意味でこの名前にしたんです」。秋田に生まれ、育った父は幼少期から阪神ファンだった。85年、バース、掛布、岡田のバックスクリーン3連発をテレビで見てからだ。病弱だったためにプレーは断念。夢を託された男は球史に名を刻むまでになった。

 終始厳しい表情を貫いたが、これで41イニング連続無失点。1969年に記録した江夏豊に並び球団歴代3位とした。また、42試合連続無失点で自身が持つプロ野球記録も更新。レジェンドに肩を並べ、追い越す日々にも「無失点は別に考えていないので、大丈夫です」と言った。それでも無失点でバトンをつなぎ、勝機を導いた14球で防御率は0・20。虎の「ミスター0」が夢をつないだ。

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