「阪神７－１ＤｅＮＡ」（２７日、甲子園球場）

　価値ある口火打で勢いをもたらした。阪神・佐藤輝が放った右線二塁打を皮切りに、二回に一挙５得点のビッグイニング。後半戦連勝スタートを演出して、「最高じゃないですか」と胸を張った。Ｈランプをともした直後には一時、打率・２９０２でリーグ首位打者に浮上。瞬間的ではあったが、猛虎の４番が打撃主要部門３冠に立った。

　二回先頭の第１打席、マウンドの大卒２年目右腕・石田裕との初対戦を迎えた。２球目のツーシームを捉えると、鋭い打球がジャンプした一塁・フォードの頭上を越えて、ライン際で跳ねる。

　「イメージはしながら、データを見ながら。良かったなと思います」。“初物打ち”のスタンディングダブルでチャンスメーク。二塁上で優しく両手を打ち鳴らした。七回１死二塁ではフルカウントから四球を勝ち取って、追加点をお膳立て。派手さはなくても、つなぎの仕事をきっちりこなした。

　終わってみれば４打数１安打。打率・２８７７で、トップの小園とわずか５厘差のリーグ４位につける。２６本塁打、６５打点のリーグ２冠を独走中だが、首位打者も射程圏内だ。夢の三冠誕生へ期待がふくらむ中、「全然意識してないです」とキッパリ。浮かれることなく、おごることなく、勝利のために誇れる数字を伸ばしていく。