阪神・藤川監督 愛のお灸 走塁ミス豊田を即交代「全体に対するメッセージ」セパ最速50勝、8・5差独走も油断大敵

 「阪神5-2ヤクルト」(12日、甲子園球場)

 阪神・藤川球児監督(44)が「愛のお灸」を据えた。逆転に成功した四回1死二、三塁から遊ゴロに倒れ、三塁走者の大山が三本間で憤死した後、二塁を狙ってタッチアウトになるという走塁ミスを犯した豊田寛外野手(28)を直後の守備から交代させた。連勝がストップした翌日に見せた指揮官の危機管理。チームを引き締め、両リーグ最速で50勝に到達した。

 大型連勝がストップしても、連敗しないのが猛虎の強さの証しだ。両リーグ最速の50勝到達を決める会心の逆転勝利にも、藤川監督はかぶとの緒を締め直す。成長株の豊田が犯した走塁ミスに怒気は見せることなく、静かに“愛のゲキ”を飛ばした。

 「プレーヤーとして壁がいくつかあると思いますね。技術以外の部分で。壁にぶち当たってはね返されるのか、乗り越えられるのかというのは、時間が非常にかかるし。豊田はまた、この壁を突破していかなきゃいけない。また立ち上がってね、はね返すというのが、本当のプロフェッショナルになる道筋ですからね。頑張ってほしいなと思いますけどね」

 試合後に指摘したシーンは四回だ。2点を先制された直後に、大山と小幡の連続適時打ですぐさま3点を奪って逆転し、石川をKOに追い込んだ。無死のまま続く追撃のチャンス。坂本には犠打を命じて1死二、三塁として、追加点を3試合連続スタメン起用の豊田へと託した。

 聖地のボルテージが高まる中、豊田は遊ゴロ。スタートを切った三塁走者・大山は、三本間で挟殺プレーとなって、三塁ベース付近でタッチアウトとなったが、その間に豊田は二塁を狙って痛恨の併殺に。絶好機をつぶす形となった豊田は、五回の守備からベンチへと退いた。

 「まあ豊田に限らず、ですね。全選手ですね、自分に置き換えて常にやれているかどうか、ということですよね。全体に対するそういうメッセージになると思いますけど」。厳しく映る交代劇は、首位を独走するチームの引き締めを狙ったからこその采配だ。豊田自身は「ミスしないように、しっかりやらないといけない」と猛省を示した。

 見過ごせない失態が出てしまったが、今季の「ウル虎の夏」で挙げた初星の価値は変わらない。逆転からのダメ押しと、虎党が狂喜乱舞する試合展開。「黄色のカラーをたまに見ると、すごくいい気持ちで。昨日は悔しかったですけど、今日はほんとにいいゲーム」。指揮官が手応えを感じたのも、また事実。失敗を糧にすることで、まだまだ藤川阪神は強くなる。

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