【佐藤義則氏の眼】阪神・豊田が判断のミス 2死からの走塁死は意味がない
「阪神5-2ヤクルト」(12日、甲子園球場)
阪神・藤川球児監督が「愛のお灸」を据えた。逆転に成功した四回1死二、三塁から遊ゴロに倒れ、三塁走者の大山が三本間で憤死した後、二塁を狙ってタッチアウトになるという走塁ミスを犯した豊田寛外野手を直後の守備から交代させた。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は「2死からの走塁死は意味がない」と指摘した。
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四回に3点を奪ってなおも1死二、三塁で豊田が遊ゴロを打ち、三走・大山がタッチアウト。豊田も二塁に走ってアウトになり併殺となった。
この場面、豊田の状況判断が悪かった。三本間に挟まれた三走・大山がすぐにタッチアウトになったという事情はあったにしても、無理して二塁に走ることはなかった。
このような2死での走塁死というのは全く意味がない。別の例でいえば、2死から二塁打を打ちながら無理して三塁に走ってアウトになるのもそう。こういう場面では100%の確率でセーフになる状況でなければ走るべきではない。なぜならそこで攻撃が終わってしまうからだ。
今回でいえば豊田が走らなければ、走者は2人残っていた。次が投手のデュプランティエとはいえ、何が起こるかわからない。ここは阪神にとっては一気に畳み掛けたい場面であり、ベンチにすれば豊田の走塁死はチームの勢いに水を差すようにも感じただろう。結果的に点が入らなかったとしても、次の五回は1番の近本が攻撃を始めることもできた。
直後の守りから島田に交代となった豊田。藤川監督の示した厳しい姿勢は豊田だけでなく、チーム全体を引き締めるという意味も持っている。
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