阪神・森下 甲斐くぐった!判定覆す神業生還「本当に必死だった」 対巨人戦早くも10勝目
「阪神1-0巨人」(2日、甲子園球場)
阪神の森下翔太外野手(24)が“神業”で生還した。0-0の八回2死一、二塁。大山悠輔内野手(30)の遊撃強襲打で一気に本塁を突いた。捕手・甲斐のタッチを曲芸のようにかいくぐって本塁をタッチ。リクエストによるリプレー検証で判定が覆り、決勝点となった。4連勝で対巨人10勝目。15回戦未満での到達は1962年以来63年ぶりとなった。
スタンドの虎党が「オー」と声を上げ、審判の登場を待つ。グラウンドに現れ、両手が広がると、甲子園は地鳴りのような歓声に包まれた。ベンチで判定を待っていた森下は、飛び出して両手でガッツポーズ。仲間とハイタッチを交わし、喜びを全身で表した。
「とっさの判断ですし、もう一瞬で、本当に必死だった。なんとかホームベースを触るところだけを意識しました」
まさに“神の手”だった。0-0の八回、2死から森下、佐藤輝と連続四球で先制のチャンスをつくる。続く大山の放った遊ゴロがイレギュラーバウンド。遊撃の泉口がファンブルした。ボールが転がるのを見て、田中三塁ベースコーチの腕も高速で回る。二走の森下は、緩めることなく三塁ベースを蹴った。二塁手の吉川が白球を拾い本塁へ送球。タイミングは完全にアウトだったが、諦めていなかった。
捕手の甲斐がタッチにきたところ、左手を引いてかわす。この時点でホームベースには触れていなかった自覚があり、もう一度、ベースへ手を伸ばした。ここでも左手を引いてタッチをかいくぐり、最後は右手でホームベースをタッチ。しかし、判定はアウト。聖地に響く大きなため息を聞きながら、森下はグラウンドで寝転び天を仰いだ。
それでも際どい判定に、藤川監督がすかさずリクエスト。長い時間がかかったリプレー検証の結果、セーフに覆った。待望の先制点がついに生まれた。「ジャイアンツのピッチャーもすごくいいので、なかなか点を取れない。ほんとに良かった」。渋い形ではあったが、大きな1点をもぎ取った。
この日は、三回に2死三塁の好機で二飛に倒れるなど無安打。それでも四球を選んで出塁し、懸命な走塁で価値ある得点、勝利を呼び込んだ。「うれしかったですね。自分自身ノーヒットで、(佐藤)輝さんもつないでくれたチャンスだったんで、なんとかものにできて良かったと思います」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
連日、ロースコアの接戦を制し4連勝。これで対巨人戦では1962年以来63年ぶりとなる、15戦未満での10勝目に到達した。森下はどんな時でも、全力プレーでチームに貢献していく。
◆早くも対巨人戦10勝目 阪神は巨人に1-0で競り勝ち、今季の巨人戦で早くも10勝目をマークした。開幕からここまで○○○○○●○○●○●●○○で10勝4敗。阪神が対巨人戦の10勝目を15回戦未満で達成するのは、13回戦で10勝目(2敗1分け)を挙げた1962年以来、63年ぶり。このシーズンは最終的に巨人戦は14勝12敗2分けだったが、2リーグ分立後のリーグ初優勝を決めている。
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