阪神・伊藤将 2年ぶり完封!わずか2安打で2勝目 夏バテ対策で「疲れねえな、まだいけるな」
「ヤクルト0-6阪神」(29日、神宮球場)
ようやく本来の阪神・伊藤将が帰ってきた。照りつける日差しに汗を拭う。最後の打者を三ゴロに仕留めると、ふと頬が緩んだ。伊藤将が2023年8月20日のDeNA戦以来2年ぶり、通算5度目の完封勝利。わずか2安打で三塁を踏ませず、121球の熱投で2勝目を挙げ、完全復活を印象付けた。
「しっかり自分の仕事をして、チームに貢献できたらいいなと思って投げた」
得点圏に走者を置いたのは、安打と四球で2死一、二塁とした初回のみ。ここで一走・オスナの隙を突いて一塁けん制。リクエストによるリプレー検証でアウトとなり窮地を脱した。
左腕対策として、先発全てに右打者を並べられても、持ち味の制球力で内角を強気に攻めた。三回以降は安打を許さず、2点リードの五回1死二、三塁ではスクイズも決めて自らを助けた。投前に打球を転がし、三走・前川が生還。アビラの悪送球(記録は犠打野選)もあり、二走・坂本も一気に本塁を踏んだ。
「暑い方が好き」というが、夏バテ対策も万全だ。夏場は体重が減りやすく、23年ごろから魚を食べることを習慣化している。この年は約2キロ増量し、「長いイニングでも、あんまりバテずにいけたって感じ。疲れねえな、まだいけるな、みたいな」と効果を実感した。
野球選手といえば焼き肉のイメージも強いが、左腕は“魚派”。週3回は食べるそうで、寿司だと20貫は平らげる。魚と一緒に米もしっかり食べられることで、増やした体重の維持につなげている。暑さにも負けない秘訣(ひけつ)だ。
この日も五回のスクイズで出塁した後、中野の中犠飛で生還するまで、塁上で炎天下にさらされたが、その後の投球に影響を感じさせなかった。
チームとして今季17試合目の完封勝ちを導き、ヒーローインタビューを終えると球場全体を見回し、三方向に深々とお辞儀した。「まだスタートしたばかり。チャレンジするつもりで1年間ローテで投げたい」。巻き返しの機会は、まだまだ残されている。
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