【藤田平氏の眼】阪神 積極性で相手先発からの本塁打が多い森下、本塁打のタイトル狙える佐藤輝 エース級からも見たい

 「ヤクルト0-6阪神」(29日、神宮球場)

 阪神が連勝でセ・リーグ最速の40勝に到達した。交流戦で7連敗など苦しんだ6月は11勝11敗の5割で終了。初回に森下が2試合連続となる決勝の先制13号。八回には佐藤輝が両リーグ最速となる20号ソロを放った。球団の日本選手としては掛布雅之以来41年ぶりの快挙。投げては先発の伊藤将が2安打完封で2勝目。投打がかみ合いカード勝ち越しを決めた。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「先発投手からの本塁打が多い森下と中盤以降が多い佐藤輝。両者の特徴が出た」と指摘した。

  ◇  ◇

 打つべき打者が打てば勝つ。先発投手からの本塁打が多い森下と中盤以降が多い佐藤輝。両者の特徴が出ていた。

 まず森下は今季13本塁打のうち、12本が先発投手から。この日と同様、制球が定まらないうちに打つ積極性が良さだ。本塁打は先制が5本。イニング別は初回が最も多い4本だ。一方、今季は全て左方向で引っ張りの打撃が特徴。今後は、この傾向を考慮した相手の配球への対応がカギかもしれない。

 そして佐藤輝。ビジターでは、この日のように右方向にも打っている中、甲子園の5本の打球方向は中堅や中堅やや左。甲子園では浜風の特性を念頭に置いた左方向を意識する打撃が生きている。欲を言えばエース級からの本塁打も見たい。本塁打のタイトルのチャンスは大いにある。

 佐藤輝のポジションについて個人的には三塁固定の方が、もっと打てると考えている。内野の方が足腰の強さにつながり打撃へ好影響をもたらす。ゲーム中の緊張感も高まる。今後へ大事なのはコンスタントに打てるか。期待している。

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