阪神・佐藤輝 通算100号 岡田超え球団生え抜き3位のスピード達成「ちょっと遅いかな。まだ全然っすね」

 「日本ハム1-7阪神」(5日、エスコンフィールド)

 北の大地にメモリアルアーチをかけた。阪神の佐藤輝明内野手(26)が八回先頭で2戦連発となる16号ソロを放ち、プロ5年目で通算100本塁打を達成した。575試合、26歳2カ月での到達は、いずれも球団生え抜きでは歴代3位のスピード記録となった。セ・パ首位決戦にも勝ち越し、交流戦で好スタートを切った。

 佐藤輝明という打者の魅力が詰め込まれた一発だった。「もう打った瞬間でしたね」。主役は右手でバットを高々と掲げる。外野は一歩も動かない。スタンドのファンは思わず声を漏らして白球の行方を見守る。プロ5年目で通算100号。苦しんだ時期もあった。その度に壁を乗り越え、たどりついた節目の一打。記念ボードを持つと、少年のように笑っていた。

 4点リードの八回無死だった。福谷のスライダーを強振する。アーティストらしい、きれいな放物線で右翼2階席までぶち込んだ。100号への意識は本当になかった。でも北海道の虎党の歓声が偉大な記録だと実感させてくれた。「100号おめでとう」。ベンチでも言葉を贈られ、喜びをかみしめた。

 小学1年の時、甲東ブルーサンダースで野球人生がスタート。人生初アーチは「小学生の時のランニングホームランですね」。いつだったかは覚えていない。ただ、その光景や感触を忘れることはない。当時、本塁打のご褒美は家族での回転ずしだった。「それだけを目標に頑張ってましたね」。無邪気な少年が20年近くの月日を経て、プロ野球界を代表するスラッガーとなった。

 ここまでの本塁打を振り返ると、印象的な一発がどんどん出てくる。ふと、通算96本の段階で本人に聞いた。今までで一番の一本は-。「96本目じゃないですか」。日々、進化を求める男らしい答え。「常にそういう感じになってきますよ」。この日の時点で最高の一本は100本目だろう。だけど、太陽が昇れば新たな一日が始まる。

 「ちょっと遅いかなと自分では思うんでね。まだ全然っすね。まだまだです」

 新人時代には悔しい記録を更新することもあった。2年目は全試合出場を果たしたが、ここ2年は2軍降格も経験。山あり谷ありだった。ホームランバッターというスタイルを変えようと思ったことはないのか。「全くないですよ。元から打てたんでね。そこをなくす必要はないかなと」。天性の素質に加え、努力を重ねた。

 チームは交流戦の開幕カードで勝ち越し。6日からは甲子園でオリックスとの関西ダービーが待っている。「もっともっと打ちたいなっていう思いも新たに出てきましたね」。北の大地で歴史を刻んだが、まだ通過点に過ぎない。佐藤輝明に与えられた使命の一つは、本塁打で夢を届けることだから。

 ◆通算100本塁打 阪神・佐藤輝外野手が5日の日本ハム3回戦(エスコン)の八回に福谷から今季16号を放って達成。プロ野球310人目。初本塁打は21年3月27日のヤクルト戦で田口から。

 ◆生え抜き100号は岡田&新庄超え 阪神生え抜き選手の100号到達試合数では、575試合の佐藤輝が岡田彰布氏(624試合)を抜いて3位のスピード。26歳2カ月の年齢は26歳5カ月の新庄剛志・日本ハム監督を抜き、掛布雅之氏(23歳11カ月)、デイリースポーツ評論家・藤田平氏(24歳11カ月)に次ぐ3番目の若さとなる。

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