鉄壁の阪神が交流戦前首位確定 55年ぶり月間完封8度目 大竹無双マツダ8連勝で貯金最多9導いた「絶対に優勝できるように」
「広島0-2阪神」(31日、マツダスタジアム)
“大竹無双”が止まらない。阪神の大竹耕太郎投手(29)が7回1/3を無失点に抑え2勝目を挙げた。広島戦は通算11勝目(1敗)、マツダスタジアムでは無傷の8連勝となった。盤石の継投でチームは55年ぶりとなる月間8度目の完封勝利。貯金を今季最多9として、交流戦前の首位を確定させた。
赤い敵陣に乗り込めば負けなしだ。大竹の無双が止まらない。マツダスタジアムで無傷の8連勝。「絶対、先に点を与えない。そういう気持ちを持って負けないように投げた」。鯉打線を圧倒し、2勝目を挙げた。
最大のピンチは三回2死。中村奨に右中間への三塁打を許した。続く菊池に四球を与えて一、三塁。ただ、窮地に陥っても流れる汗を拭う表情は涼しげだった。「ボール球から入ってもいい」と心に余裕があった。続くファビアンを1球で一邪飛に打ち取った。外角低めに制球した初球の直球。「誘い出した球に飛びついてきた」としたり顔で話した。
マツダスタジアムは“自信の源”の場所でもある。昨年8月25日の広島戦(マツダ)。「体も感覚も全然良くない」ままで臨んだにもかかわらず、6回2失点で勝ち星が付いた。「状態が良くてゼロで抑えた試合よりも、あんなんだったけど試合をつくれたことで自信がついた」という。なぜ抑えられたのか。答えはイチローの言葉にあった。「気持ちを技術でカバーすることはないが、技術面を気持ちでカバーすることはある」。この日も強い精神力が勝利へと導いてくれた。
七回終了時点で86球とテンポ良く抑えていたが、八回1死から代打・堂林に左翼線二塁打を浴びた。交代を告げられ、少し驚いた様子も見せた。「才木とか村上だったら、たぶんいかせると思う。頑張って信頼を勝ち取っていきたい」。悔しさもかみしめた。
7回1/3をわずか4安打。今季初めて無失点に抑え、広島戦は通算15試合で11勝1敗、防御率1・25。さらに驚異的なのはマツダスタジアムでの成績だ。9試合で8勝無敗、防御率0・90と抜群の相性を誇る。
この日はチームにとっても大きな一戦となった。5月に入ってチーム8度目の完封勝利は、1970年に並ぶ球団最多タイ記録。さらに3年連続で交流戦を首位で迎えることも決まった。「明日も勝てるように。そして絶対に優勝できるように。その大きなピースとして、投げられるように頑張りたい」と大竹。お立ち台での宣言を有言実行する。
◆阪神、55年ぶりの月間8完封勝ち 阪神が5月チーム8度目となる完封勝利。これは1970年10月に並ぶ球団最多タイ記録となる。70年は村山実投手の兼任監督1年目で、リーグ6連覇を目指す巨人と激しい優勝争いを演じた。シーズン最終盤の10月に村山が3完封勝ちとフル回転、左腕エース・江夏豊、若生智男、上田二朗と安定感抜群の投手陣でシャットアウト勝ちを重ねたが、巨人に2ゲーム差届かず無念の2位に終わった。
◆阪神、3年連続の交流戦前首位 阪神の交流戦前のセ・リーグ首位が確定、3年連続で5度目となる。過去4度のシーズン年と最終順位は【1】2008年=2位【2】21年=2位【3】23年=1位【4】24年=2位。なお、23年は日本一となっている。
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