阪神・坂本 先制スクイズ&V撃2点打 おねだり大歓声「僕にも輝ぐらいの」虎党沸いた!2安打3打点

 「中日1-5阪神」(25日、バンテリンドーム)

 ファンの声援に応える姿が実に絵になる。阪神・坂本誠志郎捕手(31)が、先制スクイズに決勝の2点適時二塁打をマーク。リードでも3投手を引っ張り、攻守で勝利を導いた。前回3連敗を喫した敵地での勝ち越しを決め、首位をキープ。地道にチームを支え続ける男がヒーローになるところも、今の猛虎の強さだ。

 小技が光り、快打が輝いた。坂本は二塁上で手をたたくとベンチに向かって拳を突き上げる。打って、リードして、勝利を導いた。

 「また延長がよぎってる人もいっぱいいたと思いますけど、ピッチャーにもたくさん迷惑をかけているので、ちょっとでも貢献したいなという思いだけでした」

 自身の捕逸から同点とされ、迎えた九回無死二、三塁。「取り返してやろう」と燃えていた。打席に向かう前には藤川監督から「ゾーンを上げて最初から行こうか」と耳打ち。だから迷いなくマルテの初球を振り抜いた。打球は左中間を真っ二つ。2点適時二塁打でついに均衡を破り、試合を決めた。五回1死二、三塁では松葉から見事スクイズを成功。任務を果たして先制点を挙げ、「準備はしていました」と涼しい顔で振り返った。

 3月26日、開幕を2日後に控えた時だった。捕手はSGLで投手陣のブルペン投球を受け、そのままファーム施設の室内練習場で打撃練習。その数時間後、甲子園の室内練習場でも坂本の姿があった。自身のスマホで動画を撮りながら、黙々と30分以上のティー打撃。バットを振る理由は明確だった。

 「まだ試行錯誤してるから。オープン戦でフォームは固めたけど、まだ良くなる。もっと良くなりたいと思ってさ」

 現状に満足せず、さらに上を目指す。向上心が2安打3打点につながった。七回には20年10月25日・巨人戦以来となる盗塁も成功。3投手をリードしてチームの首位を守った。年下の投手を引っ張ることの方が多い31歳。「一緒に成長しながら試合重ねるごとに強くなっていって、秋に一番大事なとこで結果が出せるようなバッテリーでいたい」と思いを語る。

 そう思えるのは「藤川監督に現役の頃いろいろ話してもらって、引っ張ってもらったりとかもしてた」から。今度は自身が若い投手を引っ張っていく番。「タイガースがピッチャー陣を強みにしてることをずっとつないでいかないといけない」と責任を感じながらマスクをかぶっている。

 前回3連敗したバンテリンドームでカード勝ち越しを導いた扇の要は、ヒーローインタビューで「最後(佐藤)輝がレフトフライ捕った時の方が歓声でかかったので、もうちょっと僕にも輝ぐらいの歓声をくれたらいいなと思います」と虎党におねだり。この日一番の大歓声が坂本に降り注いだ。

 ◆坂本の1試合3打点 坂本の1試合3打点は2024年4月30日・広島戦以来。なお、坂本の1試合最多は4打点で17年9月2日・中日戦、同8日・DeNA戦で記録。

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