阪神・近本 プロ初5安打「飛んでいった」鯉倒決定づける左前タイムリー 半日で首位奪い返した

 「阪神5-2広島」(17日、甲子園球場)

 半日で首位奪還!!ヒーローは阪神・近本光司外野手(30)だ。プロ7年目で自身初の1試合5安打を放って打線をけん引した。2点差に迫られた直後の八回は勝利を決定づける左前適時打。4連勝中だった広島の勢いを止めた。5月は調子が上がっていなかったトップバッターが完全復活。勢いに乗ってカード勝ち越しがかかる18日の首位攻防第3ラウンドも制するで!!

 無双状態の近本が、「もう一本」の期待がこもった応援を大歓声に変えた。鮮やかな流し打ちでともした5度目のHランプ。甲子園はお祭り騒ぎとなったが、本人はいたって冷静だった。

 「飛んでいったと思いました」

 右前打、左前打、中前打、中前打をマークし迎えた5打席目。プロ初の5安打目はここぞの場面で出た。2点差に追い上げられた直後の八回2死二塁。「初球からしっかりスイングして、いい結果が出ればいいなと思って打席に入った」と初球をファウル。そして3球目、塹江の外角直球をうまく捉え、左翼線へ転がる適時打に。大きな1点を追加し、勝利をぐっとたぐり寄せた。

 意識していたのは「ファーストストライクにしっかりスイングを仕掛ける」ということ。第1打席は2球目を右前へ運ぶと、以降も追い込まれてからでも冷静に狙いを定めてスイング。「毎打席、毎打席、いい結果を出そうと思って入っているけど、その積み重ねが5安打になったと思う」と胸を張った。

 30歳と節目の年で迎えた今季。より一層、自覚を持って臨んでいる。チーム内でも上の世代となり、実績からも結果が求められる立場。「結果だけで判断されちゃうので周りからは。それは仕方ないかなと思いながら、結果が全てかなと思う」と立ち位置を理解し、日々プレーしている。

 チームが得点を取れない試合が続いている中、この日は走者なしから4度の出塁。五回無死は3得点の口火となった。常に持っている「しっかり塁に出てチャンスをつくる」という意識で、1番打者としての役割を全うした。

 六回にはリーグトップの9盗塁目も成功。八回無死一塁では小園の左中間への打球に走って追いつく好守も見せた。藤川監督も「やっぱり攻める姿勢といいますかね。素晴らしい1番としての活躍、センターとしても、一歩目のスタートとか、素晴らしく、彼らしい動きでしたね」と拍手を送った活躍ぶりだった。

 チームは16日のナイターに敗れて陥落してから、半日で首位に返り咲き。近本は一気に打率・301まで上昇した。お立ち台の最後には「明日もチーム全員で戦っていきますので、応援のほどよろしくお願いします」と虎党を沸かせた。不動のリードオフマンがバットで勝利を呼び込む。

 ◆近本、プロ初の1試合5安打 近本は昨季までに1試合4安打を13回マーク。今季も4月17日のヤクルト戦、同24日のDeNA戦で1試合4安打を打っていたが、プロ7年目、843試合目でついに初の1試合5安打を達成した。なお、阪神では両リーグ最多となる1試合6安打を渡辺博之が54年5月26日の中日戦、大山悠輔が18年9月16日のDeNA戦で記録している。

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