阪神・近本 三回までに価値ある3安打 苦手左腕攻略で今季5度目猛打賞 「結果的によかったです」

 「巨人1-7阪神」(6日、東京ドーム)

 左に中に、右に…打ち出の小づちと化した阪神・近本光司外野手(30)のバットが、振れば安打を、チームに得点を生んだ。初回から3イニング連続安打の活躍。2打点、今季5度目の猛打賞で巨人戦連勝を導いた。ゴールデンウイーク最後の一戦。関東の虎党に元気と、秋に向かう確かな予感を届けた。

 「別に打球方向のイメージはしていなかった。いいボールだったんですけど、結果的に安打になってよかったです」

 虎の切り込み隊長として、チームに勇気を与える仕事。今季、チームとして先発左腕に3連敗中で、4勝9敗と苦戦する中、成長著しい巨人の先発・井上との対戦だ。試合を動かしたのは初回の攻撃だ。3ボールから直球2球を見送ってフルカウント。内角のカットボールに体を開きながら、押し出すようにバットを合わせて左前に運んだ。

 4月27日の巨人戦以来、8試合ぶりの初回安打。森下の左前適時打で先制のホームを踏むと、二回にも1死走者なしから中前打でチャンスメーク。森下の5号2ランで3点目のホームを踏んだ。「打てなくても、打っていても気持ちは一緒」と、不動心で打席に立った三回。今度は2死一、二塁の好機で右翼線を破る2点適時三塁打を放った。

 ゴールデンウイーク最後の休日。「一輪車が上手だった」近本が、幼少期から大切にしてきた信念がある。「できないことよりも、できることを伸ばそう」。球界では小柄な男は長所を磨き、一流の階段を全力で駆け上がってきた。比較するのは常に昨日の自分。考え、好きな野球を楽しむための日々に、己の可能性を信じて突き進んだ。

 「誰かと比較することはいいことじゃない。自分と向き合ってやれること、好きなことを頑張って欲しい」。八回には無死一塁から一塁に進塁打。ダメ押し点につなげた犠牲心も勝利に欠かせなかった。「結果的によかったです。本当に勝って、すごく大きいと思います」。敵地ドームに六甲おろしが心地よく響く。目指すはホップ、ステップ、ジャンプの3連勝。一気に連勝街道を駆ける。

 ◆近本、今季5度目の猛打賞 近本が初回に左前打、二回に中前打、三回に右翼線への三塁打を放ち、今季5度目の猛打賞をマーク。新型コロナ禍のため6月開幕だった20年を除けば、5月6日までに5回目の猛打賞はプロ入り7年目で最も速いペースとなる。また、安打数も40となり、1位森下(神)の44、2位吉川(巨)の41と激しい争いを展開している。

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