【糸井嘉男氏の眼】光った阪神・糸原の存在感 ベンチスタートの佐藤輝は切り替えて

 「阪神4-3ヤクルト」(28日、甲子園球場)

 阪神がヤクルトに連勝し、今季最多の貯金5とした。今季初スタメンの糸原健斗内野手が二回に中前へ先制適時打。四回、八回にも左前打を放つなど、猛打賞の活躍で勝利に貢献した。デイリースポーツ評論家の糸井嘉男氏は「準備のたまもの」と称賛した。

  ◇  ◇

 すごい勝ち方をした中でケント(糸原)の存在感が光りましたね!代打でもスタメンでも結果を出してくれます。二回は先制のチャンスで中前適時打。外角低めに沈んでいく難しい球でしたが、ケントらしい、しぶとい打球でした。四回、八回は走者を出したい場面で左前打。いずれも状況に応じた、ベンチが求める打撃ができています。もともと技術がある選手ですし、日頃からの準備のたまものだと思います。チームも勝って価値ある3安打になりましたね。

 前日は木浪選手に代わってスタメンで出場した小幡選手が結果を残しています。ベンチにはメラメラ燃えている選手が控えていますし、日替わりヒーローが出るとチームは盛り上がる。打線全体はまだまだいい状態とは言えません。その中でも勝っている。選手の力はもちろん、岡田監督をはじめ、首脳陣のマネジメント力も見逃せません。

 ケントの活躍にスタメンを外れたテル(佐藤輝)も刺激を受けているはずです。今後どういう行動に移していくか自分自身で決めなければなりません。昨年も悔しい思いをして乗り越えた経験があります。今回もいいように捉えて切り替えてやってほしいと思います。

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