「２軍練習試合、中日１－４阪神」（２２日、オキハム読谷平和の森球場）

　鋭い打球が左翼芝生席に突き刺さった。待ちわびた快音が今季“１号”。阪神の野口恭佑外野手（２３）は少しほっとした表情を見せた。

　「感触は良かったと思います。全然１本打ててなかったので。その１本がたまたまホームランだったんですけど。本当にうれしかったです」

　この日は佐賀から母、祖父母、叔母も応援に駆けつけた。家族が見守る中、迎えた三回の第２打席。２死一塁でカウント１－１から内角甘めに来た福の直球をフルスイング。低い弾道でそのまま左翼フェンスを越える２ランとなり、「来た球を打つくらいしか考えてなかったので。それがいい結果になった」とうなずいた。

　ノイジー、ミエセス、森下、前川、井上らと両翼を争う立場。ただ、キャンプの対外試合では２軍戦も含め、４戦快音がなく「結構苦しかった」と本音も。初の快音が家族の前での一発となり「見ててくれてたので良かった」とはにかんだ。

　２３日からはオープン戦が始まる。「最後の１クールなので。数少ないチャンスをものにできるように」と野口。続けて、「バッティングでアピールしたいのはあるんですけど、監督が言っていた、チームに貢献するっていうことを考えた上で、結果を残せていけたら」と“岡田野球”を意識する考えを示した。この一発で弾みをつけ、オープン戦でも猛アピールしていく。