「マイナビオールスターゲーム２０２３・第１戦、全セ１－８全パ」（１９日、バンテリンドーム）

　一塁側ベンチから飛び出したのは、まさかの岡田“コーチ”だった。全セの指揮を執る高津監督を差し置いてリクエストを要求。球宴ならではの光景に球場は大いに沸いた。異例の行動について「高津がおらんかったんよ。それでオレがしょうがなしに」と苦笑いで舞台裏を明かした。

　二回、全パの近藤が村上から左翼フェンス直撃の安打を放ち二塁を狙うと、打球を処理したノイジーが強肩で二塁へノーバウンドの好返球。判定はセーフだったが、中野がベンチに向かって笑顔でリクエストを要求するようなしぐさを示した。

　その時、高津監督はベンチに不在だったため、岡田監督がリクエスト。リプレー検証の結果、判定はアウトに覆った。球宴では異例の、２１年の全セ・原監督以来の“リクエスト劇”に岡田監督や村上も白い歯をこぼした。

　高津監督は「言い訳じゃないけどブルペンを見に行ったの。そしたら岡田監督が出てきてモニター見たら何かやってるから、あれ？って。俺の仕事って」と説明。「すいませーん」と謝罪したという。

　普段はベンチで厳しい表情を浮かべることもある岡田監督だが「コーチやから余計に楽やしなあ。何にも考えんでいいし」と久々の球宴を満喫していた。