「ヤクルト４－７阪神」（２５日、神宮球場）

　阪神のヨハン・ミエセス外野手（２７）の対応力が光った。打った瞬間文句なしの一発と同時に、Ｍ砲の“伸び代”が垣間見えた。

　「前の打席まで抑えられていたし、チームのためになんとか打ちたいと思った。最高のスイングができたね」

　１点を追う七回１死。サイスニードの高め直球を完璧に仕留めた。左中間席へ今季２号の同点ソロ。お決まりの“ギャルピース”を披露しながらダイヤモンドを一周した。

　二回先頭では遊飛、四回１死一塁では捕邪飛と、ともに直球に差し込まれて凡退。打ち上がった飛球を眉間にしわを寄せて眺め、打席の去り際にはシャウトしていら立ちをのぞかせた。

　募るフラストレーションを抑え、捉える方法を探った。「しっかり（ボールに）コンタクトするという部分をもう一回心がけながらいきました」。自慢の怪力に頼るのではなく、ミート重視の意識に変更。会心のアーチで鬱憤（うっぷん）を晴らした。

　「６番・右翼」で５試合ぶりに先発出場。「どの状況で自分の出番が来てもしっかり準備した状態でいたかったので」と、ひたむきに備え続けて結果を残した。ビジターでは４試合で打率・３１３、７打点と強さを見せる。試合を重ねる度にドミニカンの手数は多くなる。