「6番右翼」にみる阪神・岡田監督の采配の妙 最近10戦9勝1敗 起用した選手が打点量産

 東京へ移動する岡田監督(撮影・高部洋祐)
 18日の中日戦、1回、先制となる満塁走者一掃の二塁打を放つミエセス。投手・柳
 20日の広島戦、サヨナラ打を放つ森下。投手・森下
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 阪神が2位DeNAに2ゲーム差をつけて首位を走っている。最近10試合は9勝1敗。着実に貯金を積み重ねる中、岡田彰布監督(65)の「6番」起用に注目した。開幕から固定できず、課題となっていたが、ここ最近は岡田監督が起用した選手が勝利を決める打点を量産。起用の背景に迫った。30日から交流戦が控える中、競争はますます熱を帯びそうだ。

  ◇  ◇

 岡田監督のタクトがさえ渡っている。最近10試合で9勝1敗、1試合平均5・6得点と打線も活発だ。見逃せないのが采配の妙。開幕からの懸案事項だった「6番・右翼」で起用した選手の活躍だ。先週はミエセスが2度、島田、ドラフト1位・森下(中大)もそれぞれ試合を決める打点をマーク。将は「たまたまやろ」と言うが、起用に根拠があるから興味深い。

 18日・中日戦ではミエセスが柳から決勝打を放った。一般的に右投手には左打者の方が対応しやすいと言われる。指揮官も当初は左の島田のスタメン起用を考えていたというが「近本、中野が打ちにくそうにしていた」と前回4日の対戦を思い出し、急きょミエセスに変更したという背景がある。森下が右腕・森下からサヨナラ打を放った20日・広島戦も、4月27日の2軍戦で同じ森下から左前打を放った映像を見ていたからと明かした。相性やデータに頼るのではなく、今季の対戦を踏まえた「感性」に基づく起用が功を奏した形だ。

 もちろん固定が理想だが、日替わり6番が競争を生んでいるという側面もある。指揮官は「まだ1人に決められへん。交流戦でDHもあるからな。1人でも調子の良いバッターがいてくれる方がいいよ」と話す。ファームでは小野寺、井上、前川が虎視眈々(たんたん)と昇格機会をうかがっている。30日から始まる交流戦に向けて、アピール合戦は加熱の一途だ。

 24日・ヤクルト戦(神宮)の先発はルーキー吉村。今季3戦2敗だが、「今度は何とかするやろ」と指揮官に慌てる様子はない。「相手の調子とかもあるしなあ。一時に比べたら今そんなに良くないんちゃうか」。ここ最近の状態もインプット済み。それより28日・巨人戦の先発が予想される松井を警戒する。

 育成上がりの右腕は21日に初勝利を挙げたばかり。「何となく嫌な感じはする。思い切って投げてくるみたいな、そういうのは注意せなあかんわ」と指揮官。苦手にする、あるいは怖いもの知らずの若武者をいかに打ち崩すか。岡田采配から目が離せない。(デイリースポーツ阪神担当キャップ・杉原史恭)

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