【谷佳知氏の眼】真っすぐ打ち損じた阪神打線 中軸3人の不調浮き彫り

 6回、二飛に倒れるノイジー(投手・戸郷)
 8回、好機で二飛に倒れる大山(撮影・堀内翔)
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 「巨人7-1阪神」(11日、東京ドーム)

 巨人先発の戸郷に対し、阪神の各打者は序盤から、早いカウントの真っすぐに絞って打ちにいっていた印象を受けた。恐らくベンチから指示が出ていたのだと思うが、その真っすぐをことごとく打ち損じていた。

 四回無死一塁からのクリーンアップの凡退は象徴的だった。

 ノイジーが三飛、大山が右飛、佐藤輝が二飛といずれも真っすぐに差し込まれてフライを打ち上げた。戸郷の真っすぐが良かったのは確かだが、中軸3人の状態の悪さが、改めて浮き彫りになった瞬間だった。

 中でも佐藤輝には厳しい一戦となった。

 七回先頭の第3打席。初球の甘いフォークを見逃してストライクを取られた後、低めのボール球のフォークを2球連続で振って3球三振。バッターが一番やってはいけないのは、ボール球を振ること。あれだけボール球を振ってしまうと、相手もストライクゾーンで勝負する必要がなくなる。自分で自分を苦しめてしまっている。

 まずしっかりとボールを見る。その意識を強く持つことが大事だ。もう一度、その原点に立ち返ってほしい。 0-1の六回、先頭近本が右前打を放った後、中野に犠打も考えられたがベンチはそのまま打たせた。犠打で1死二塁の形を作っても、今の中軸では心もとないと判断し、中野の安打で無死一、三塁の形に期待を寄せたのではないか。ここにも、苦しい打線の現状が垣間見えたように思う。

 幸い中野、木浪は状態がいい。中軸の状態が上がってくるまで、場合によってはスタメンも入れ替えて、全員で辛抱強く戦っていってもらいたい。

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