阪神・岡田監督 秘策“早稲田戦法”伝授 「真っすぐ」本塁突入!ベースの先端狙え

 筒井コーチ(右)のタッチをかいくぐり本塁へ生還する北條(撮影・飯室逸平)
 ラインすれすれを走る前川
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 「阪神秋季キャンプ」(10日、安芸)

 阪神の秋季キャンプ第3クール初日となった10日、ベースランニングで珍しい練習が行われた。ホームベースの9割方を隠し、三角部分の先端だけを露出。内野ゴロの間に三走が本塁へ突入するシーンを想定した走塁&ベースタッチの練習だ。岡田監督は「俺も学生時代にやった“早稲田戦法”や」と、1点をもぎ取るための走塁練習だったことを明かした。

 練習のための練習では意味がない。ゲーム中に起こり得る、あらゆる状況を想定した練習を行っておくのが“岡田流”である。

 午前中に行われたベースランニングのラスト。三塁付近に選手らが集まると、筒井外野守備走塁コーチがホームベースを黒いタオルで覆い始めた。露出しているのは、捕手側にある三角部分の先端のみ。同コーチいわく「一番捕手がタッチしにくい場所を滑る練習」だ。

 三塁からリードを取り、各選手が本塁へ突入する。捕手役の筒井コーチのタッチをかいくぐるために、足からスライディングしながら左手でベース先端に触れる者、ヘッドスライディングで触れる者、さまざまな方法でトライ。大トリを務めた梅野が頭から突っ込み、華麗にベースタッチを決めると、ナイン、スタンドから拍手が起こった。

 岡田監督は「ラインに入らなアカン。ちょっとでも真っすぐ行ける道を探さな。キャッチャーの距離感分からんようにするためやんか」と、より直線的に本塁へ突入するよう要求。「俺らの時もやったがな、大学の時に。“早稲田戦法”や。サードランナー(の本塁)飛び込み練習やん」と、自身も早大野球部時代に行っていた練習だったことを明かす。

 シーズン中にはゲーム終盤で、どうしても1点をもぎ取りたい場面がある。例えば1死三塁の場面。打者がボールをバットに当てた瞬間に走る『ギャンブルスタート』や、ボールが転がった瞬間に突っ込む『ゴロゴー』などの成功率を少しでも上げるため、練習に取り入れたわけだ。

 「ほんま紙一重やから。真っすぐ行くのと、斜めから行くので何センチ、0コンマ何秒かの差でアウト、セーフになるんやからな、結局。ホンマちょっとの、その距離でセーフになることもあるわけやから」

 今はコリジョンルールも採用され、リプレー検証まである。細部にまでこだわり、あらゆる場面で最善を尽くす。岡田野球が追い求める姿勢が、走塁練習にまで現れた形となった。

 【主な野球のトレンド】

 ◆ドジャース戦法 大リーグ・ドジャースが実践した、貧打のチームが守備力を生かし守り勝つ戦術。攻撃では犠打やエンドランを使い、スモールベースボールの礎となった。1960年代に巨人・川上哲治監督が取り入れた。

 ◆管理野球 1980年代に西武・広岡達朗監督が実施した、選手を徹底コントロールする方式。選手に役割を完璧に果たすように教育し鍛え上げた。綿密に選手を管理。夜遊びや深酒を禁止し、「白米より玄米」「肉より小魚」「炭酸飲料禁止、豆乳を」など“食事改革”も徹底。

 ◆1D野球 90年にヤクルトの監督に就任した野村克也氏の理論で、チーム強化の方針として「データ重視」を掲げる。スコアラーに、データ収集法と分析法を徹底教育。上がって来たデータを選手にミーティングでたたき込み、黄金時代を築き上げた。

 ◆遠山-葛西スペシャル 阪神・野村克也監督による継投で相手打者の左右により左サイドスローの遠山と右サイドスローの葛西が交互に登板する戦法。

 ◆フライボール革命 それまでの常識と逆にボールの下半分を強くたたくことで、外野まで飛ばす打法。2010年代後半からメジャー各球団が採り入れ、17年のシーズン総本塁打数は史上最多6105本を記録。

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