阪神・原口 先制V撃 21イニングぶり得点!連敗止めた 福留に学んだ勝負強さ発揮

 「阪神5-0中日」(11日、甲子園球場)

 必死のグッチが負の連鎖を止め、風穴を開けた。今月初スタメンとなった阪神・原口文仁内野手(30)が四回、左前に先制適時打を放ち、連敗を「2」で止めた。今季限りでの現役引退を決断した、かつてのチームメートである中日・福留の勝負強さを受け継いだ一打。残り11試合。最後まで全力で戦い抜く。

 その背中はチームが窮地に陥った時、一段と頼もしさを増す。かつての先輩の前で、原口が恩返しの一打だ。バットに執念を乗せ、21イニングぶりの得点をたたき出した。

 「ワンチャンスで、ここで絶対にかえしてやろうと思って打席に入りました。ランナーが近本だったので、1点は入るな、という気持ちでした」

 0-0の四回だ。2死一、二塁の好機で打席に立つと、集中力を極限まで高めた。短く持ったバットで勝野の直球を振り抜くと、打球はライナーとなって左前へ。スタンドにメガホンが揺れる中、原口は左拳をグッと握り、ベンチのガッツポーズに応えた。

 六回には2死一、二塁から粘り腰を発揮だ。際どいボールをファウルするたび、スタンドの熱量が増していく。最後は四球でチャンスを拡大し、佐藤輝、木浪の適時打をお膳立てした。

 「お疲れさまでした。お世話になりました」

 試合前練習中、ブルーのユニホームを着た福留を見つけると真っ先に駆け寄り、感謝を伝えた。「何であれだけ勝負強いのか」。チームメートだった頃、野球への取り組み方、配球も見て聞いて学び、成長の糧としてきた。

 「僕たちは勝負どころで孝介(福留)さんが打っているという印象が残っていますし、今日そういう一打になってくれたら僕もうれしいかなと思います」

 野手転向1年目。2軍暮らしが長く続いたが、勝負の秋を迎え、9月は打率・667と絶好調だ。矢野監督も「打線の状態がなかなか上がらないところで、大事なところでフミ(原口)使いたい」と先発起用の意図を明かし、「1打席にかける思いは強い選手。何とかしてやろうという気持ちは出ているし、結果で示すところがすごい」と賛辞を惜しまない。

 チームは連敗を2で止め、3位を死守。原口は「チームは一つでも上を目指していますし、落とせない試合が全部だと思うので、貢献できるプレーがしたい」と引き締めた。可能性がある限り諦めない。最後まで戦う姿勢を原口が見せていく。

 ◆12日にもV消滅 阪神はこの日、中日戦に勝利したものの、ヤクルトもDeNA戦で勝利したため、12日にも優勝の可能性が消滅する。阪神が12日・中日戦で敗れると残り10試合全勝で73勝67敗3分け、勝率・5214。一方、ヤクルトが12日・DeNA戦で勝利し、残り試合全敗でも74勝67敗2分け、勝率・5248となり、阪神は上回れない。

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