阪神・佐藤輝「才木のために打ちました!」逆方向へ16号 新人から2年連続100H到達
「阪神7-3ヤクルト」(30日、甲子園球場)
タテジマを身にまとう左のスラッガーに宿命づけられた本塁打。阪神・佐藤輝が逆方向へアーチをかけた。「すごい、いいホームランだったと思います」。手に残る感触が心地良い。ファンの不安を払しょくする一発で5連勝に貢献した。
4番が一人、音なしでは終われない。5点リードの五回、先頭で大西のツーシームを捉えた。流し打った打球はグングンと伸びて左翼スタンドへ。「狙い球を絞ってしっかりと自分のスイングができたと思います。才木のために打ちました!ヤッター!」と無邪気に喜んだ。
快勝した29日はスタメン野手で唯一のノーヒット。この日も打線がつながりを見せる中、四回まで2打席連続三振に倒れていた。後半戦初安打を本塁打で飾り、同期入団の中野とともに新人から2年連続でシーズン100安打に到達。六回の第4打席では中前打を放つなどマルチ安打だ。
「状態は悪くはないと思います。もっといいところで打てるようにやっていきます」と力を込めた主砲。今3連戦は「夏休み こどもまつり」として開催されている。佐藤輝は球場に足を運んだ虎キッズに「ホームランを見せられてよかったです」と子ども思いの一面をのぞかせた。若き主砲としてファンの人気を一身に背負う23歳。重圧をはねのけ、勝利を届けるという気概を持って打席に立っている。
元気のなかった主砲の一発に矢野監督は「久しぶりにあっち(左)の方向にいい打球が飛んだんでね」と一安心。「何かいいきっかけにして」と状態アップを望んだ。
首位を走るヤクルトに9ゲーム差と迫る2連勝。「目の前の1試合を全力で戦うだけです」と佐藤輝。奇跡の逆転優勝へ、4番のバットが奏でる快音が何よりも必要だ。